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建築業許可を国土交通省閲覧システムで検索できないときはどうする?建築業許可番号の見方も解説

この記事でわかること

  • 建設業許可番号の仕組みと検索方法について理解できる
  • 建設業許可番号が検索できないときのよくある原因がわかる
  • 建設業許可番号の見方がわかる

建設業者が本当に建設業許可を取得しているのかを調べる方法として、今回は2つの方法を取り上げます。

1つは、建設業者の許可番号をオンラインで検索する方法、もう1つが、建設業者が許可申請にあたって提出した書類の閲覧請求を行う方法です。

それぞれについて、検索・閲覧できる場合についてまとめています。

また、建設業許可番号の見方・得られる情報についても解説しています。

建設業は動くお金や人員も多く、優良な業者と契約することで、トラブルを事前に防ぐことができます。

建築業許可番号の検索方法

建設業許可には、国土交通省大臣許可と都道府県知事許可の2種類があります。

大臣許可は、2つ以上(複数)の都道府県に営業所を設置している建設業者が該当し、都道府県知事許可は、該当する都道府県にのみ営業所を設置している建設業者が該当します。

許可は2種類ありますが、優劣はなく、許可を受けた業者は、国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」を利用して検索することができます。

検索は、業者の商号や名称で検索することができることはもちろん、許可番号から業者を特定することも可能です。

また、業者の所属する都道府県や、キーワードなどからも検索をかけることができます。

建築業許可番号が検索できないときによくある原因

「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」では、許可を受けた建設業者等を検索することができますが、内容に誤りがあったり、そもそも許可を受けていない場合や、許可を取り消されたりした場合は、許可番号が検索できません。

商号で検索する場合は、その商号の表記が正しいのかを特に注意する必要があります。

商号は各業者が自由に決められるため、発音が同じでも商号の記載が異なる場合が考えられるためです。

また、許可の満了前に建設業を廃業していたり、都道府県知事許可から大臣許可に変更していたりすると、許可番号が変更されている場合があるので、ご注意ください。

許可を受けていない業者は検索システムに載ってきませんが、建設業者が許可を受けていない=悪質な業者であるとは、一概には断定できません

工事案件が「軽微な建設工事」に該当し、工事を依頼する業者が「軽微な建設工事」のみを請け負っている場合は、建設業許可が不要とされているからです。

国土交通省が定める建設業許可不要の「軽微な建設工事」とは、次のものを指します。

  • 建築一式工事については、工事1件の請負代金の額が1,500万円未満の工事または延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事
  • 建築一式工事以外の建設工事については、工事1件の請負代金の額が500万円未満の工事

このように、「軽微な建設工事」とは、ごく小規模な建設工事であるといえ、軽微な建設工事のみを請け負っている業者は建設業許可が不要とされていることも覚えておくとよいでしょう。

より詳しい情報は都道府県庁の建設業許可申請書類を確認

建設業者の建設業許可番号は、「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」を利用して検索・特定することができますが、建設業許可申請書類自体も閲覧することができます(直近5年)。

ただし、閲覧できるのは、都道府県知事許可の業者のみであり、個人情報保護の観点から、申請書類の一部は閲覧できません。

閲覧できない書類(情報)は、以下の通りです。

  • 経営業務管理責任者の要件を満たすことの証明書
  • 営業所専任技術者の要件を満たすことの証明書
  • 国家資格者等・監理技術者一覧表
  • 許可申請者又はその役員等及び令3条の使用人の調書
  • 登記事項証明書
  • 株主調書
  • 納税証明書

逆に、これら以外の公開を前提としている資料については閲覧することができます。

具体的には、次のようなものがあげられます。

  • 建設業許可申請書
  • 事業年度終了届(変更届)

事業年度終了届とは、許可を受けた建設業者が、その事業年度が終了した後に提出が義務付けられている届出です。

いわゆる毎年の決算書の提出に近く、事業年度終了届の提出を怠ると、今後の許可更新などにも影響が及ぶ可能性があります。

したがって、許可を受けた業者は、その意思の有無に関わらず、行政に対して財務状況の報告・公開を行う必要が発生しています。

書類の閲覧については、各都道府県が独自に条例ないしは規則を制定しており、各都道府県で閲覧可能時間(受付時間)や、閲覧手数料などで違いがあります

閲覧についての詳細は各都道府県に問い合わせてください。

【参考】建築業許可番号の見方

建設業許可には大臣許可と都道府県知事許可の2種類があることは説明しましたが、大臣許可と都道府県知事許可とでは、建設業許可番号の表記にも違いがあります。

大臣許可の場合は、「国土交通大臣許可(特-○○)第○○○○○号」、都道府県知事許可の場合は、「○○県知事許可(般-○○)第○○○○○号」というように記載されます。

以下では、許可番号について、

  • 「国土交通大臣許可」「○○県知事許可」の部分
  • 「(特-○○)」「(般-○○)」の部分
  • 「第○○○○○号」の部分

に分けて簡単に解説します。

「国土交通大臣許可」「○○県知事許可」の部分

許可番号の冒頭部分です。

この部分で建設業者が大臣許可を受けているのか、都道府県知事許可を受けているのかがわかります。

これが意味することは、

  • 大臣許可:複数の都道府県に営業所を設置している
  • 都道府県知事許可:業者が1つの都道府県にのみ営業所を設置している

ということです。

許可の表記方法には違いがありますが、どちらも有効期限は5年間です。

同じ許可業種で取り扱える範囲に違いもありません。

「(特-○○)」「(般-○○)」の部分

許可番号の真ん中部分です。

この部分からは、業者が特定建設業事業者なのか、一般建設業事業者なのかがわかります。

「(特-○○)」とあれば特定建設業、「(般-○○)」とあれば一般建設業となります。

特定建設業と一般建設業の違いは、発注者(施主)から直接請け負う工事1件につき、4,000万円(建築工事業の場合は6,000万円)以上となる下請契約を締結できるかどうかで区別されています。

特定建設業の場合は、発注者(施主)から直接請け負う工事1件につき、4,000万円(建築工事業の場合は6,000万円)以上となる下請契約を締結できます。

一方、一般建設業の場合は、発注者(施主)から直接請け負う工事1件につき、4,000万円(建築工事業の場合は6,000万円)以上となる下請契約を締結できません。

そのため、一般建設業の場合は、あくまで下請けなど、比較的小規模な工事を中心に請け負うことになります。

以上から、特定建設業と一般建設業の違いは工事代金の規模の違いであるといえます。

「特-」「般-」の後ろにある数字は、許可を受けた年度を示しています。

例えば、「特-30」と記載されていた場合は、平成30年に特定建設業の許可を受けたことを示します。

建設業許可の有効期限は5年間なので、この数字が現在の年度から5年遡ったものより小さい場合は、その業者は建設業許可の更新を行っていない(許可を受けていない)ことがわかります。

このように、業者が有効な許可を取得しているかどうかは、「特-」「般-」の後ろにある数字を見ることで判別することができ、工事に際して、無許可の業者をあらかじめ除外することができます。

「第○○○○○号」の部分

「第○○○○○号」は事業者ごとに割り振られた個別の番号です。

事業者が一般建設業と特定建設業の両方で許可を受けた場合でも、業者番号は同じとなり、許可の更新や変更があっても、個別の番号は変更されません。

この番号で、業者を特定することができます。

まとめ

今回は建設業許可番号の検索方法・見方について解説しました。

業者の商号や名称がわかっている場合は、国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」を利用すると許可番号を検索することができます。

また、都道府県知事の許可に限られますが、業者が許可を受けてから過去5年はその業者が許可申請にあたって提出した申請書類の一部を閲覧することができます。

このように、建設業許可番号の表記からは様々な情報が読み取れ、その情報源を探る手段も準備されています。

当然ですが、建設業許可番号は、建設業許可を取得していない場合には発行されません。

業者に工事を依頼する時は、建設業許可番号を検索し、その業者が適法に事業を行っているのかを事前に調べておくことをお勧めします。

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