この記事でわかること
- 土木工事の役割
- 土木工事の仕事をするのにおすすめの資格
- 土木工事に関する資格を取得するメリット
土木工事業は、生活に欠かせないライフラインの基盤を整備する仕事です。
専門的な知識が必要な工事もあり、保有しておくと役立つ資格も沢山あります。
土木関係の仕事をされている方や建設会社を経営されてる方の中には「仕事の幅を広げるためにも土木資格をとっておきたい」と考える方も多いのではないでしょうか。
この記事では、土木工事を行うのにおすすめの資格や、資格を取得するメリットを詳しく解説します。
土木工事とは
土木工事とは、建物以外の建設工事全般を指します。
具体的には、木材や土石を使って道路の舗装や鉄道、トンネルの整備、ダム建設や河川工事、空港の建設、土地の区画整備などを行います。
生活に欠かせないインフラを整え、安全な施設を造るためにとても重要な役割を果たします。
土木工事に関するおすすめの資格5つ
土木工事を行うのにおすすめの資格は、以下の5つです。
- 土木施工管理技士
- 技術士
- 測量士
- 舗装施工管理技術者
- 建設機械施工管理技術者
ここからは、それぞれの資格の内容や難易度などを詳しく解説します。
土木施工管理技士
土木施工管理技士は、国土交通大臣指定機関の運営する国家資格です。
1級と2級があり、1級に合格すると主任技術者・監理技術者として認められ、工程管理や品質管理、安全管理といった業務を行う現場責任者として仕事ができます。
また、4,500万円以上(建築一式工事の場合は7,000万円以上)の大規模な工事を請け負う場合は、監理技術者を配置する必要があり、土木施工管理技士1級に合格していれば、大きな工事を担当することができます。
1級と2級には、それぞれ一次検定と二次検定があり、2023年度の合格率は以下のとおりです。
- 1級土木施工管理技士
- 一次検定:49.5% 二次検定:33.2%
- 2級土木施工管理技士
- 一時検定:54.3% 二次検定:62.9%
1級は試験範囲が広く、さらに二次検定では試験項目に記述論文があることから難易度が高い試験といえます。
技術士
技術士は21分野に分かれますが、土木工事に関連するのは「建設部門」の技術士です。
技術士の資格を取得すると、建設コンサルタントとして、土木に関する計画・設計・分析・試験・評価などを行うことできます。
また、技術士にも一次試験と二次試験があり、一次試験に合格することで技術士補を取得でき、二次試験に合格することで技術士を取得できます。
技術士は、技術系資格の中で最高峰と言われており、2023年度の合格率からも、難易度がとても高いことがわかります。
一次試験:36.7%、二次試験:9.8%
測量士
測量士は、国土交通省の国土地理院が実施する国家資格です。
道路や鉄道、トンネルやダムなどの土木工事を行う際は必ず測量を行いますが、この測量業務を担うのが測量士であり、測量士の有資格者以外は測量業務を行えません。
測量技術に関する最新の知見が必要であること、実際の測量実務に即した問題が出題されることなどから、測量士の難易度は高いと言われています。
なお、2023年度の合格率は10.3%であり、合格率がとても低く難関資格と言えます。
また、測量業務に関連する資格として、測量士補があり、測量士をサポートするなどの役割を担います。
測量士補の2023年度の合格率は、32.2%であり、測量士に比べて難易度はやや下がります。
舗装施工管理技術者
舗装施工管理技術者とは、よりレベルの高い舗装工事を行うため、舗装工事における技術水準や能力を評価するために設けられた民間資格です。
国家資格ではありませんが、舗装工事の入札では有資格者を会社に置いていることを条件としている場合があり、保有していると有利な資格です。
舗装施工管理技術者にも1級と2級があり、それぞれ一般試験と応用試験があります。
2023年度の合格率は1級が12.7%、2級が38.1%であり、2級の難易度はそこまで高くありませんが、1級になると難易度が上がることがわかります。
建設機械施工管理技術者
建設機械施工管理技術者は、クレーン車やブルドーザーなどの建設機械を使う建設現場で、適切に施工管理を行う技術を証する国家資格です。
建設機械施工管理技術者にも、1級と2級があり、それぞれ一次検定と二次検定があり、合格率は以下のとおりです。
- 1級建設機械施工管理技術者
- 一次検定:26.4% 二次検定:52.7%
- 2級建設機械施工管理技術者
- 一次検定:42.8% 二次検定:68.2%
先述した他の資格と比べると難易度は高くありませんが、1級となると合格率は下がることから、難易度がうかがえます。
土木工事に関する資格を取得するメリット
土木工事に関連する資格を取得すると、個人にも会社側にもメリットがあり、主なメリットとして以下の3つが挙げられます。
- 転職に有利になる
- 会社の昇給や昇進につながる
- 仕事の受注が増える
ここからは、それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
転職に有利になる
土木業界では、どれだけ腕がよく長年勤めていても、資格がなければ行えない仕事があるため、資格があると会社で重宝されやすくなります。
そのため、土木資格のある人材を求めている会社は多く、求人で有資格者を条件としていることもあります。
資格を持っていることで、転職の幅が広がり、またよい条件で採用されやすくなるでしょう。
会社の昇給や昇進につながる
先述したとおり、資格があると会社で重宝されるため、昇給や昇進をねらいやすくなります。
また、会社によっては社内ルールで資格を取得すると、手当がつく場合もあるでしょう。
仕事の受注が増える
個人が資格を取得することは会社側にもメリットがあり、資格内容によっては仕事の受注が増える可能性があります。
また、公共工事の入札の場合は資格の保有を条件とするケースがあり、資格保有者が在籍することで、入札参加しやすくなることがあります。
まとめ
土木会社の従業員が資格を取得することは、従業員自身のスキルアップや会社側の発展につながります。
ただ、資格の種類によって難易度は異なり、国家試験となると相当難しいため、時間を要する可能性があります。