指定工事店制度とは、専門知識と技術、経験を持ち、専属の専任技術者、必要な器材・資材などを揃えていて、適切な工事と事務手続きが可能な業者として認定される制度です。
排水設備工事や給水装置工事を行うためには、各下水道管理者や水道事業者の指定を受けることが必要となります。本記事では、指定工事店制度の概要についてご説明します。
指定が必要とされる理由
排水設備や給水装置は道路の下の下水道本管や配水管とそれぞれ繋がっている状態です。そのため、施工が不適切だったり工事が不完全な場合、汚水が流れにくくなったり逆流などが起きることとなり、排水管や下水道管の破損に繋がるといった事態が発生します。
それにより、手直し工事が必要となったり、使用料のトラブルが発生することになってしまうでしょう。なにより衛生上の問題が生じることとなるので、さまざまな問題やトラブルの原因となってしまいます。
そこで、各下水道管理者や水道事業者では、適切な工事の担保のため、技術者資格を保有し一定要件を満たす業者を指定して工事を依頼することにしているのです。
排水設備工事、給水装置工事をするには各下水道管理者、各水道事業者の指定を受ける必要がある?
指定工事店は、排水設備工事・給水装置工事について、見積もりから契約、設計や施工、役所での手続きや検査など、工事に関する一連業務の主体となります。
そのため、工事の一部を下請けが関わる場合でも、工事全体の管理・監督は直接工事を請け負った指定工事店が行うため、下請け業者まで指定が必要ということではありません。
軽微な工事を除いて、それぞれの工事を行う前には、下水道管理者や水道事業者の承認を得ることが必要とされます。
また、建設業許可などは500万円以上の工事を行う場合に必要であるなど請負金額に関係する部分がありますが、指定工事店制度の場合、請負金額は関係せず下水道管理者・水道事業者ごとに指定を受けることが必要です。
指定に必要な要件
排水設備工事と給水装置工事では、排水設備工事なら下水道管理者、給水設置工事なら水道事業者ごとに指定を受けることが必要です。
指定を受けた自治体以外では工事を行うことはできませんので、管轄する下水道管理者や水道事業者ごとの指定が必要となります。
下水道管理者と水道事業者、それぞれ指定に必要な申請書類は異なる部分もありますが、基本的には以下のように要件はほぼ同じです。
排水設備工事の指定の要件
- 排水設備工事責任技術者を各営業所に専属させている
- 指定を受ける下水道管理者の都道府県内に営業所がある
- 排水設備工事の施工に必要な設備及び器材を有している
- 欠格事項に該当しない
給水装置工事の指定の要件
- 給水装置工事主任技術者を各営業所に選任している
- 給水装置工事の施工に必要な機械器具を有している
- 欠格事項に該当しない
まとめ
この記事では、排水設備工事と給水装置工事において、下水道管理者や水道事業者の承認が必要となる指定工事店制度について解説しました。
それぞれ指定の要件がありますので、迷うことがあれば専門家への相談をおすすめします。