【12/21】今日のニュース

01書面添付実態調査 聴取後3割で調査移行

(第1794号 12月25日号 税理士新聞より)
書面添付制度には申告書の信頼性を高めて調査予防効果があるとする意見がある一方で、実効性を疑問視する声もあります。報酬を請求できない、調査が一番税理士の活躍できる場面なのになぜそれを回避するのかといった意見もありますが、顧客にとっては何日も日程を取られ、業務に支障ともなりうるのです。

東京税理士会が実施したアンケート調査では、「書面添付制度を利用していない」が7割、制度を利用して提出した申告書は4,744件のうち、調査に移行したのは33件、0.7%でした。直近の確定申告の実績をみると法人では年間申告数312万件、調査件数は6.2万件と約2%となっており、書面添付をした方が調査を受ける確率は低いといえます。

しかしながら、書面添付制度に対しては、責任が増してリスクが高まる割に報酬をもらえない、税務調査を回避できても納税者はメリットを感じにくい、時間や労力がかかり煩雑といった意見も多く、法的に義務化されれば報酬が請求しやすくなるといった意見すらありました。

書面添付制度を利用すると、まず意見聴取が行われます。意見聴取で疑問点が解消されれば調査に移行することはありませんし、意見聴取の時点で間違いが発覚したとしても、この時点で修正申告を提出すれば加算税が課されることはなく、延滞税と本税のみとなります。

事務所で標準業務化し、取り組みを顧客に説明、報酬を請求できるようにすることで、業務品質がUPし、事務所経営にもプラスになります。初めて書面添付を行うときは、何を書いたらいいのか戸惑いますが、研修を受講するなどしてまず1件試してみるとよいのではないでしょうか。