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01令和4年度における法人税の書面添付割合は10.0%
財務省はさきごろ、令和4事務年度国税庁実績評価書を公表した。
それによると、実績目標のひとつ「税理士業務の適正な運営の確保」の中で、書面添付制度の普及・定着に向けた取組みがあるが、税理士会等との協議会等において積極的に意見交換を行ったとして達成度を「〇」と判定している。
令和4年度における税理士法第33条の2に規定する書面の添付割合(税理士が関与した申告書の件数のうち、書面添付があったものの件数の割合)を見てみると、法人税は10.0%(前年度9.8%)で初の2桁となった。そのほか、所得税1.5%(同1.5%)、相続税23.4(同23.1%)となっている。
なお、「税理士等に対する指導監督の的確な実施」の中で、税理士・税理士法人等に対する調査等件数が示されているが、令和4年度の調査等件数は2854件(同2364件)。懲戒処分等件数は13件(同21件)で、内訳は禁止処分4件、停止処分9件だった。
日税ジャーナル:令和4年度における法人税の書面添付割合は10.0%
02企業の税務調査でAI駆使 近年最多の追徴3500億円
国税当局が企業の税務調査で、人工知能(AI)の活用を本格化させている。過去の申告漏れの事例などを学習させ、膨大な資料から「疑いのある法人」を割り出す。2022事務年度(23年6月までの1年間)は法人への追徴税額が10事務年度以降で最高となった。調査の新たな武器として税逃れの捕捉を図る。
AIを活用した調査では、まず全国の税務署などが企業の申告・決算情報や公表資料などをデータベースに入力する。続いてAIが過去の調査で得られた傾向などを機械学習。データベースから「申告漏れの可能性が高い納税者」を選定する。
対象は法人税、消費税、源泉所得税などで、主に資本金1億円未満の企業の調査に活用する。AIによる申告漏れリスクが高いという判定を踏まえ、調査官が実地調査した上で申告漏れの指摘や追徴課税の処分につなげる。
22年度にAIが選定した調査対象は1件あたりの平均追徴税額が547万円で、全体の386万円と比べて4割以上も多かった。同年度の法人税の調査件数は6万2千件で新型コロナウイルス禍前の18年度に比べて約4割低い水準だ。国税庁の担当者は「コロナ禍の影響を完全に脱していない中、近年で最高の追徴税額となったのはAI活用も一因」と話す。
海外が絡む取引や消費税の不正還付など複雑な税逃れの手口は調査官の経験や勘が必要となるケースも少なくない。同庁はAI導入による選定作業の省力化で、複雑な事案に対し、より人員や時間をかけられるようになったとしている。
一方、調査の現場からは、AIが分析するデータの種類や観点をもっと増やすべきだなどの意見も上がっているという。同庁は今後も活用を進めてAIの学習量を増やし、精度の向上を図る方針だ。
日経新聞:企業の税務調査でAI駆使 近年最多の追徴3500億円