【10/31】今日のニュース
ニュース目次
01退職金税制、見直し先送り 24年度税制改正 政府・与党
同じ会社に勤めている期間が長いほど、退職一時金を受け取る際に手厚い税優遇が受けられる現行の退職金税制について、2024年度税制改正では見直さない方向で、政府・与党が調整していることが30日、分かった。
来年以降の年金制度改革に合わせ、25年度税制改正で本格的に議論を進める考え。
政府が6月に決定した「新しい資本主義」の実行計画では、退職金税制が「自らの選択による労働移動の円滑化を阻害している」とし、是正する方針を示した。しかし、制度見直しで税負担が増えるとの懸念がSNSなどを中心に広まり、「サラリーマン増税」と批判が集まっていた。
jiji.com:退職金税制、見直し先送り 24年度税制改正 政府・与党
02インボイス制度 企業の65%が順調に対応も『懸念あり』が9割
インボイス制度(適格請求書等保存方式)が10月1日からスタートしたことを受け、帝国データバンクでは、インボイス制度への対応状況や懸念事項に関するアンケートを行った。アンケート期間は2023年10月6日~11日、有効回答企業数は1494社(インターネット調査)。
それによると、インボイス制度の対応状況については、65.1%が「順調に対応できている」と回答。企業の3社に2社が順調にスタートを切っていることが分かった。一方で、「対応がやや遅れている」は28.5%、「対応が大幅に遅れている」は3.1%だった。
企業からは「社員や取引先へ早めに対処していて、何とかスタートできた」(機械製造)という声がある一方で、「インボイスの申請はしたけれども、番号の連絡等がない」(鉄鋼・非鉄・鉱業製品卸売)や「振込手数料など、取り扱いについて手探り状態のものが多い」(運輸・倉庫)といった声も聞かれた。
規模別にみると、「順調に対応できている 」割合は大企業が71.5%に対し、中小企業は64.2%、「対応がやや遅れている」割合は大企業が24.4%に対し、中小企業は29.1%だった。「システム変更にお金をかけられない」(建材・家具、窯業・土石製品卸売)や「仕入税額控除に対するルールが細かい。免税事業者対応の税区分など処理内容が増え、少ない人員で対処するには限界がある」(飲食料品・飼料製造)など、大企業に比べて中小企業で対応が遅れている様子がうかがえた。
インボイス制度の導入による懸念事項(現在/今後)について尋ねたところ、「懸念事項あり」の企業は 91.0%と9割にのぼった。「懸念事項なし」は6.0%、「分からない」は 2.9%だった。「社内周知に力を入れてきたが、費用の都合上、システムで対応できない部分もあり運用面での不安が残るうえ、大手の販売先でも対応がギリギリまで分からない先もあったため、今後トラブルが起きないかなど、とにかく不安が多い」(機械・器具卸売)や「準備は進めてきたが、後々不備が発覚するかもしれないと不安」(機械製造)など、準備を進めてスタートを切っていても、不安を抱える企業は多い。
懸念事項の内容については、「業務負担の増加(他業務への影響含む)」が71.5%と7割を超えて最も高かった。次いで、「社内での理解・連携不足」(51.0%)、「仕入先への対応」(50.1%)が 5割台で続いた。そのほか、「請求書の受領時のミス」(36.1%)などが上位にあがった。
「作業時間が大幅に増加し、残業が増えてスタッフが疲弊している」(飲食料品小売)、「仕入先などのインボイスの確認、免税事業者への対応でこれからが大変。業務量は増加する」(金融)など、事務負担の増大などに戸惑う声も聞かれた。
2024年1月からは新たに改正電子帳簿保存法の対応も必要になるため、事務の負担が重くなるとも言われ、インボイス制度が定着するには今しばらく時間を要することが考えられる。インボイス制度に対応するなかで企業の不安や混乱が深まるケースが出てくることも十分に予想されるだけに、課題解決に向けたサポートに加え、デジタル化の推進につながる仕組みづくりが急がれる。
日税ジャーナル:インボイス制度 企業の65%が順調に対応も『懸念あり』が9割
03相続市場まだまだブルーオーシャン
(第1789号 11月5日号 税理士新聞より)
相続税は基礎控除の引き下げにより4%で推移してきた課税件数は21年には9.3%と倍増し、相続税の大衆化が進んでいるともいわれています。一方、民間の調査によれば相談先がわからないという回答が4割以上に上ったそうです。大きな金額が動く相続市場はまだまだブルーオーシャンとのことです。
僕ら相続専門の税理士から見ると、川下となる相続後の顧客獲得に向けた動きは銀行も葬儀社も税理士も熱を帯びているように思えますが、「生前」という川上ではブルーオーシャンと言ってもよいのかもしれませんが。
相続は、何をしたらいいのかわからないと同時に、誰に相談していいのかわからないという意見が非常に多く、相続の相談相手として、鎌倉新書が運営する相続情報サイト「いい相続」が実施した調査では、相談相手として弁護士16.4%、税理士12%、司法書士9.6%、行政書士3.9%、FP3.4%、金融機関3.3%を選んだといいます。申告期限がありますから、まずは税理士に相談して、申告が必要か、納税額が出るかを検討したあと、揉めているなら弁護士、不動産があるなら司法書士という流れが順当なはずですが、アンケート調査結果はそうなっておらず、まだまだ税理士側からのアピールは必要なようです。
鎌倉新書の調査では、故人がやっておいてくれてよかったこととして、銀行口座の解約、財産をまとめた記録、遺産分割の意思表示、遺言書の作成、パスワードの共有があがっており、これらを税理士が顧問先にアドバイスすることで実際に相続が発生したときに感謝されますし、相続税の依頼もくることになるでしょう。何か大掛かりなことをする必要はなく、常日頃から少しずつ相続についての会話を心掛けることが大切といえるでしょう。