【9/28】今日のニュース

01年収の壁対策、130万円超でも2年まで扶養 政府正式発表



厚生労働省は27日、年収が一定額を超えると社会保険料の支払いが生じて手取りが減る「年収の壁」対策に関する支援強化パッケージを正式に発表した。年収が130万円を超えても収入増が一時的であれば、被扶養者に認定する策などを盛った。10月に適用開始し、次の年金制度改正までのつなぎ措置とする。

社会保険料の負担が発生する2種類の年収基準について、それぞれ対応策を示した。

会社員ら厚生年金の被保険者に扶養される人で、従業員100人以下の企業に勤める場合、現在は年収が130万円を超えると扶養から外れ、社会保険料を自ら支払うことになる。厚労省は10月以降、一時的な増収であれば連続2年までは扶養にとどまることができるようにする。

101人以上の企業に勤める被扶養者の場合は月額賃金が8.8万円以上(年収換算でおよそ106万円以上)といった要件を満たすと、厚生年金に入る必要がある。厚労省は賃上げや保険料の相当額を手当として支給し、労働者の厚生年金への適用を促した企業に1人あたり3年で最大50万円を助成する。

労働時間を延ばす場合にも対応する。週の所定労働時間を4時間以上延長すると、1人あたり30万円を助成する。労働時間の延長と賃上げを組み合わせる場合も対象となる。

事業主の申請数に上限を設けず、手続き書類も簡素化する。2025年度末までに労働者に厚生年金を適用させた事業主が対象で、取り組み開始から6カ月後に支給を申請できる。
日経新聞:年収の壁対策、130万円超でも2年まで扶養 政府正式発表

02日商、中小企業向け賃上げ促進税制の長期延長等を要望

日本商工会議所は、9月20日に「令和6年度税制改正に関する意見」を公表した。同意見書の主な内容は、1)円滑な経営承継・事業継続に資する税制、2)中小企業等の自己変革への挑戦を後押しする税制、3)わが国のビジネス環境整備等に資する税制、4)地方創生と内需拡大を後押しする税制、5)中小企業の活力強化と経営基盤強化を後押しする税制の5項目からなっている。

このうち、1)では、平成30年度税制改正で抜本拡充され、相続・贈与時の税負担をゼロにする画期的な措置となった事業承継税制について、制度導入以降、地域の雇用を支え地域経済を牽引する“地域貢献企業”の円滑な経営承継 ・事業継続のみならず、経営者の若返りを契機とした中小企業の生産性向上・付加価値拡大に貢献してきたと評価。中小企業の経営者年齢は依然として高く、今後も円滑な経営承継を促進する必要があること等を踏まえれば、本来、期限を設けることは適切ではなく、同税制の延長・恒久化が不可欠であるとしている。

2)では、構造的・持続的な賃上げによる「成長と分配の好循環」の実現には、企業における賃上げや従業員の教育訓練をはじめとする中長期的な人材投資の加速が不可欠であることから、今年度末で期限を迎える中小企業向け賃上げ促進税制について、適用期間を現行の2年よりも長期にして延長するよう要望している。

また、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応による事務負担の増加が懸念される中で中小企業の事務負担の軽減は不可欠であり、足元の物価上昇に伴うパソコン、ソフトウェア等をはじめとする機械器具の価格も値上げが相次いでいる。そのため、中小企業の多くが活用する少額減価償却資産の特例の適用に当たって、要件の対象資産の取得価額(30万円未満)や取得合計額の上限(300万円以下)を超えてしまうケースが増えていることから、対象資産の取得価額及び取得合計額の上限を引上げた上で、同特例の本則化を求めている。

中小企業にとって交際費等は、販売促進や新規顧客との関係構築といった営業活動ため不可欠な支出である一方、中小飲食店においては法人需要の回復の動きが未だ鈍い状況が続いており、足元の人件費や食材費等のコスト増に伴う価格転嫁もままならない中で厳しい経営環境のため客単価の引上げによる付加価値拡大が求められていることから、今年度末適用期限を迎える交際費課税の特例の確実な延長と、交際費の範囲から除かれる飲食費の上限額を、1人あたり5千円以下から2万円以下へ引き上げることを要望。

そのほか、インボイス制度導入後、特に、来年の確定申告時に大きな混乱が生じることが予想されため、政府は消費税制度やインボイス制度について一層の周知・広報を行うとともに、実際に課税転換しインボイス登録するかどうかの判断や申告の手続き等に関して税理士等の専門家の協力を得ながら、万全の体制で事業者の相談にあたることを求めている。
TabisLand:日商、中小企業向け賃上げ促進税制の長期延長等を要望