【3/16】今日のニュース

01中小の資金繰り支援策、9月末まで半年延長

政府は新型コロナウイルス対策として導入した中小企業の資金繰り支援策を9月末まで半年間延長する。日本政策金融公庫の低利・無担保融資などが対象となる。実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済期限を迎える企業に対して支援を続ける必要があると判断した。

日本公庫の低利・無担保融資は、新型コロナの感染拡大を受けて2020年3月に始まった。コロナの影響で売上高が減少した中小企業に無担保で、通常より低い金利で資金を貸し出す。

政府は22年9月のゼロゼロ融資の終了に合わせて、同月で終了予定だった低利・無担保融資の期限を23年3月末まで延長することを決めていた。その期限をさらに23年9月末まで延長する。

ゼロゼロ融資の融資総額は22年9月末時点で計43兆円にのぼり、23年に返済開始の山場をむかえる。

政府は低利・無担保融資の期限を9月末まで延長することで、ゼロゼロ融資からの借り換えを円滑にする。エネルギーや食料を中心に物価高騰が続いていることも考慮した。

コロナ対策向けの資本性劣後ローンや、物価高騰対策で導入されたセーフティネット貸付についても、9月末まで期限を半年間延長する。
日経新聞:中小の資金繰り支援策、9月末まで半年延長

02東京都、「経営者保証」不要の制度融資 創業リスク軽減

東京都は15日、経営者個人が会社の連帯保証人となる「経営者保証」を不要にできる新たな制度融資を開始した。国が創設した全国統一の保証制度「スタートアップ創出促進保証」の受け付けが都内でも始まった。創業時のリスクを軽減し、起業の促進を図るのが狙い。

対象は、2カ月以内に創業予定または創業5年未満の会社で、融資限度額は3500万円。融資を受けるには、東京信用保証協会が定める保証料率に0.2%上乗せした保証料を負担する必要があるが、都が上乗せ後の保証料の2分の1を補助する。

融資期間は10年以内、元本返済の据え置き期間は3年までで、従来の創業融資よりも拡充された。
日経新聞:東京都、「経営者保証」不要の制度融資 創業リスク軽減

03岸田首相「23年に最低賃金1000円」 政労使会議で目標



岸田文雄首相は15日、首相官邸で政府と経済界、労働団体の代表者による「政労使」の会議に出席した。最低賃金の全国加重平均を2022年の961円から23年に1000円へ上げる目標を示した。非正規雇用も含めた幅広い賃上げを訴えた。

「今年は1000円を達成することを含め最低賃金審議会で明確な根拠のもと、しっかり議論いただきたい」と述べた。地域間格差の是正も必要だと強調した。

出席者は中小企業の賃上げへ労務費の取引価格転嫁ができる環境を整えると基本合意した。首相は「業界ごとに実態調査したうえで指針をまとめていく。業界団体にも自主行動計画の改定・徹底を求める」と語った。

最低賃金の前年からの上げ幅は22年に過去最大の31円だった。23年に1000円にするにはこれを上回る必要がある。首相は「この夏以降は1000円達成後の最低賃金引き上げの方針についても議論をしていきたい」とも言及した。

リスキリング(学び直し)や円滑な労働移動といった労働市場改革で「構造的な賃金引き上げ」をめざすと言明した。
日経新聞:岸田首相「23年に最低賃金1000円」 政労使会議で目標

04製造業8割が満額回答、日立やパナHD 持続・波及カギ 春季労使交渉



2023年の春季労使交渉は15日に集中回答日を迎えた。日立製作所やパナソニックホールディングスなどが労働組合の賃上げ要求に相次ぎ満額回答した。製造業の主要企業の満額回答は全体の86%に達した。物価上昇に配慮し、高水準の賃上げの回答が相次いだ。経済の好循環に向けて、賃上げを中小企業や非正規の働き手に波及できるか、24年以降も持続できるかが問われる。
日経新聞:製造業8割が満額回答、日立やパナHD 持続・波及カギ 春季労使交渉