経済産業省消費者相談室がこのほど公表した2021年度消費者相談報告書によると、2021年度に経済産業省消費者相談室で受け付けた消費者相談件数は8103件(前年度比4.7%増)となり、3年連続で増加した。受付窓口別では、経済産業本省への相談が2263件(同▲7.5%)、経済産業局への相談が5840件(同10.3%増)だった。相談者の属性別では、本人からの相談が3952件(構成比48.8%)と半数近くを占め、引き続き最も多い。
事項別では、「特定商取引法関係」の相談が5629件(前年度比13.8%増)と最も多くなり、次いで、「割賦関係」の相談が844件(同▲1.3%)、「その他」の相談が746件(同▲28.4%)、「契約その他」の相談が426件(同6.8%増)、「製品関係」の相談が412件(同▲3.7%)、「個人情報関係」の相談が26件(同44.4%増)、「先物取引」の相談が20件(同▲61.5%)となった。
全体構成比の約7割(69.5%)を占める「特定商取引法関係」のうち取引類型をみると、「訪問販売」の相談が2051件(前年度比63.8%増)と最も多く、「通信販売」が1243件(同▲30.8%)、「電話勧誘販売」が940件(同30.9%増)、「特定継続的役務提供」が710件(同13.1%増)、「連鎖販売取引」が405件(同25.4%増)、「訪問購入」が143件(同15.3%増)、「業務提供誘引販売取引」が137件(同26.9%増)となった。
「訪問販売」は、2051件で最も相談の多い取引類型となったが、中でも、いわゆる水回り設備の修繕、鍵の開錠修理、保険金を充てた修繕工事のトラブルに関連した相談が目立った。具体的事例では、ドアの鍵が開かなくなり、鍵の開錠と修理の契約を締結した。しかし、10 万円と高額だったのでクーリング・オフの通知を出したが、事業者は返金や減額の交渉に応じなかった相談がある。
また、新型コロナ感染症の影響とみられる相談は、2021年度は387件寄せられた。相談内容は、前年度に多かったマスクや消毒液等の物資の確保に関する相談に代わり、例えば副業紹介等の勧誘や、行動制限に伴う事業者との解約トラブル等に関する相談が目立った。具体的には、インターネットで副業紹介のサイトにアクセスし、SNSで案内されて入った会議アプリでセミナー受講の勧誘を受け、契約させられた事例がある。
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経済産業省:令和3年度消費者相談報告書
(タックスコム提供)