帝国データバンクが12月1日に発表した「食品主要105社の価格改定動向調査(12月)」では、2022年の食品値上げは2万品目を超えた。同時に、2023年3月までにすでに4000品目の値上げの可能性を示している。食品のみならず物価高が続く状況下、11月の物価高倒産は5ヵ月連続で月間最多を更新するなど、前例のない水準で推移。中小事業者を中心に価格転嫁が進まない状況下で「物価高倒産」は、今後もさらなる増加傾向で続きそうだ。

帝国データバンクが発表した「物価高倒産動向調査」結果によると、2022年11月の物価高倒産は46件判明し、これまで月間最多だった 2022年10月(41件)をさらに上回り、5ヵ月連続で月間最多を更新した。物価高による倒産が相次ぎ、2022年通年では年間発生件数300件超えがほぼ確実となった。11月の46件を業種別にみると、「建設業」(9件)がトップとなり、なかでも「総合工事業」(4件)が目立つ。

以下、「製造業」、「卸売業」(各8件)が続いた。業種詳細別では「飲食料品小売」(5件)や「運輸業」(3件)が多く、燃料高や食品の価格高騰の影響を受けた業種が続いている。また、負債規模別にみると、「1億~5億円未満」が22件で最も多く、次いで、「5000万円~1億円未満」、「10億円~50億円未満」(各7件)と続く。2022年(1~11月)に発生した272件を業種別にみると、「建設業」、「製造業」の2業種で累計50件を超えた。

なかでも「建設業」(58件)が、前月までトップの「運輸・通信業」(54件)を上回った。11月の全国企業倒産件数は570件と、前年同月から102件増加し、7ヵ月連続で前年同月を上回った。2022年を通しても3年ぶりの前年比増加が確実となった。食品や日用品など生活に身近なモノから産業資材まで、各種値上げは今後も続くとみられる。コロナ関連融資の返済が本格化するなか、特に物価高倒産の動向には注視すべきだとしている。

同調査結果は↓
帝国データバンク:「物価高倒産」動向調査(2022年11月)

(タックスコム提供)