日経新聞:雇用保険料0.2%引き上げへ 23年4月から

厚生労働省は2023年4月から雇用保険料率を0.2%引き上げる。失業者ら向けの給付に充てる保険料が対象で、引き上げ後の保険料率は賃金の0.8%になる。今月中に労使で議論したうえで最終的に決める。

雇用保険は失業等給付と、育児休業給付、休業時などに支給する雇用調整助成金(雇調金)を含む「雇用保険二事業」の大きく3区分ある。今回引き上げるのは失業等給付向け。保険料は労使折半で負担する。

新型コロナウイルスの感染拡大で政府は雇調金の支給要件を大幅に緩和し、22年12月9日までの支給決定額は6兆2000億円を超えた。積立金を雇調金支給にも充てたため、失業等給付向けの財政も逼迫している。

コロナ禍前に一時6兆円を超えた失業等給付向けの積立金は、22年度に8500億円まで減少する見通し。コロナ禍前は積立金が潤沢だったため保険料率を引き下げていたが、23年4月の引き上げにより法律上の原則0.8%に戻ることになる。