大阪商工会議所が発表した「現在の売上状況と新型コロナ関連融資・資金調達に関する調査」結果(有効回答数371社)によると、コロナ禍の影響が少なかった2019年度比での今年度売上見込みは、「10%以上30%未満の減少」が約3割(30.5%)で最多だった。「10%未満の減少」(12.4%)、「30%以上50%未満の減少」(11.3%)、「50%以上の減少」(7.8%)を合わせると、6割超(62.0%)の企業がコロナ前の売上水準に戻っていない。
政府系金融機関・民間金融機関の新型コロナ感染症関連融資(実質無利子・無担保融資等)借入状況は、回答企業のうち、3社に2社(64.7%)が「借入をしている・していた」。「利用していない」は3割台半ば(35.0%)。借入額は「5000万円以上」が最多。新型コロナ関連融資の借入額は「5000万円以上」が4割超(41.3%)で最多、次いで、「4000万円以上5000万円未満」、「3000万円以上4000万円未満」(いずれも12.9%)が続く。
新型コロナ関連融資の返済開始時期は「すでに返済をしている」が半数超(53.8%)、次いで「2023年内に返済を開始予定」(33.3%)。2022年の年末までに返済を開始する企業(2.5%)と、2023年内に返済を開始予定の企業を加えると、借入れ企業のうち9割弱(89.6%)が今後1年以内に返済に取り組む。また、新型コロナ関連融資の返済は、借り入れた企業の7割台半ば(75.8%)が「当初の条件で予定通り返済できる見込み」とした。
金融機関からの借入について、「現時点で借入が必要な資金は、十分借り入れられている」が約半数(50.9%)。2019年(68.2%)をピークに3年連続で資金調達状況は悪化。「十分借り入れられている」(50.9%)と「現時点で借入はなく、当面借り入れる必要もない」(22.6%)を合わせると、4社に3社(73.5%)は資金繰りに問題はない。資金需要があるにもかかわらず、借入不足の企業は2割超(23.5%)だった。
借り入れた資金の使途(複数回答)は、「運転資金」が8割超(81.2%)で最多、「新分野進出・業態変更・事業革新に向けた設備投資」(19.2%)、「既存設備の維持・補修、入替」(18.1%)が続く。設備投資・研究開発費関連資金は3割台前半(33.4%)。人件費関連資金(「従業員への給与」、「賞与資金」、「社会保険料(年金、医療、介護、雇用保険等)の使用者負担分」の合計)は2割強(20.9%)で、昨年度(34.0%)より低下している。
今後の資金繰りに係る懸念事項(複数回答)については、「原材料費等高騰による仕入コストの増大」が半数弱(49.3%)で最多。次いで、「人件費負担の増大」(25.6%)、「円安・為替」(23.7%)、「売上の回復見通しが立たない」(23.5%)、「補助金・助成金等の縮小」(15.4%)が続く。懸念事項は「特にない」とする企業は2割台前半(22.1%)で昨年度調査(31.4%)と比べ減少した。
同調査結果は↓
大阪商工会議所:現在の売上状況と新型コロナ関連融資・資金調達に関する調査
(タックスコム提供)