JTBが発表した年末年始期間(2022年12月23日~2023年1月3日)の国内の旅行動向によると、国内旅行者数は、各種経済指標、交通機関各社の動き、宿泊施設の予約状況、各種定点意識調査などをもとに算出し、2100万人(対前年116.7%、対2019年71.8%)と推計している。同調査は、事前調査を1万人に実施し、このうち「旅行に行く、多分行く」と回答した1913人を本調査の対象としたもの。
国内旅行者数2100万人は、去年より300万人の増加を見込んでいるが、コロナ前の3年前に比べると7割程度にとどまっている。物価高による節約志向や、新型コロナの「第8波」を受け外出を控える影響だと分析している。また、海外旅行は去年より7.5倍増えた15万人だが、コロナ前と比べると2割程度となった。国内旅行平均費用は3万7000円(対前年112.1%、対2019年115.6%)、総額7770億円と推計した。
旅行費用については、2泊3日から4泊5日までの割合が上昇したこと、実家や知人宅での宿泊が減少しホテル宿泊が増加したこと、物価上昇等を考慮して算出。旅行日数は、「1泊2日」が35.6%と最も多かったものの、前年より0.8ポイント減少。「2泊3日(28.6%、前年比+2.3ポイント)」「3泊4日(15.5%、同+0.3ポイント)」「4泊5日(7.8%、同+0.1ポイント)」は増加し、5泊以上は7泊を除き昨年より割合が減少した。
旅行先は、最も割合が高かったのが「関東(22.6%、前年比+0.4ポイント)」、次が「近畿(17.4%、同▲0.1ポイント)」。コロナ禍で減少傾向にあった「北海道(6.7%、同+1.1ポイント)」及び「沖縄(3.1%、同+1.0ポイント)」は昨年より増加。一人当たりの旅行費用は、「1万円~2万円未満(23.0%、前年比▲2.5ポイント)」が最も多く、次いで「2万円~3万円未満(18.7%、同+0.6ポイント)」「1万円未満(16.4%、同▲5.3ポイント)」となった。
利用宿泊施設は、「ホテル」が43.1%と最多、次いで「実家・親族の家(34.5%、前年比▲2.4ポイント)」。2021年度調査では「ホテル」は1.3ポイント減少し34.6%だったが、今回の調査では8.5ポイント増加した。一方、「旅館」は6.9ポイント減少した。コロナ禍では、感染症防止の観点から、自然や温泉地に近い旅館の滞在意向が高い傾向だったが、ホテルが回復しつつあり、都市部への意向が高まっている様子がうかがえる。
なお、年末年始期間の海外旅行人数は、15万人(対前年750%、対2019年18.1%)、一人当たりの海外旅行費用は26万円と推計。費用は2000年以降の同社調査では過去最高となる。この理由として、ウクライナ情勢による世界的な物価急上昇など経済への影響が大きくなっていることや、円安が進み対米ドルや他の主要通貨に対する大幅な下落が滞在費に影響を与えていることが考えられる。
同調査結果は↓
JTB:年末年始(2022年12月23日~2023年1月3日)の旅行動向
(タックスコム提供)