東京税理士会は、会員が受けた税務調査について、(1)事前通知の実施状況、(2)無予告調査、(3)調査件数、調査内容及び調査日数、(4)調査結果、重加算税処分などの実態把握を目的に、2022年度「税務調査アンケート」を実施した。調査結果(有効回答数570会員)によると、対象期間(21・7~22・6)に288件の税務調査の事前通知があり、このうち「納税者のみに通知があった」件数は15件(5.2%)だった。

事前通知がなかった無予告調査件数9件のうち「税務調査が速やかに開始されたもの」が6件(66.7%)だった。無予告調査は、納税者の負担が特に大きいことから、東京会では、「正確な課税標準等又は税額等の把握を困難にするおそれがあるとき」又は「調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められるとき」以外は避け、事前通知は要しないとの判断は慎重にするよう求めている。

回答のあった調査件数297件の内訳は、「法人税(消費税含む)」が228件と約77%を占め、「所得税(同)」が47件、「相続税」が20件、「贈与税」が2件。調査内容は、「帳簿・証憑」が251件(84.5%)で大半を占めているが、他の調査内容については、(1)「現金・預金」(31.6%)、(2) 「机・書庫・金庫」(12.5%)、(3)「パソコン等」(12.5%)、(4)「名刺・認印・電話帳等」(2.4%)などの順に多くなっている。

税務調査のうち、着手から終了までの期間は、297件中、「3ヵ月以内」で終了したものが204件で68.7%を占めて最も多く、「3ヵ月超~5ヵ月以内」が50件で16.8%、「6ヵ月以上」が36件で12.1%となっている。また、調査終了時の手続き(回答175件)は、申告内容に誤りが認められなかった場合は、「更正決定等をすべきと認められない旨の通知」については、「不明」の87件を除くと、「あった」のは59件と約34%を占めた。  一方、申告内容に誤りが認められた場合は、「更正決定等をすべきと認めたその理由の説明」が「あった」のは115件と約66%を占めた。

なお、調査件数288件のうち、「申告是認」は46件(16.0%)、「修正申告」は232件(80.6%)、「更正」は10件(3.5%)。「修正申告」のうち、9件が「不満だった」。「更正」のうち、不服申立てをしたものは3件。また、修正申告・更正242件のうち、「重加算税処分あり」は44件(21.2%)だった。

(タックスコム提供)