来年も記録的な「値上げラッシュ」に直面する。帝国データバンクが発表した「食品主要105社の価格改定動向調査」結果によると、上場する主要飲食料品メーカー105社における価格改定計画を調査した結果、2023年の値上げ品目数は11月末時点で累計4425品目にのぼり、早くも4000品目を超えた。このうち2023年1月で514品目、同2月が3269品目に達した。特に2月の値上げは前年の1420品目から2倍超となる。
2023年2月の値上げは、2022年以降で10月(6699品目)に次ぐ2番目の多さとなった。1~3月ベースでも、2023年は今年(3553品目)の水準を既に上回るなど、値上げペースは今年に比べ加速している。2023年中の値上げが判明した食品の値上げ率平均は17%に達し、2022年通年に比べても2ポイント高い水準だった。急速に進行した円安水準も背景に、特に輸入食品・飲料で大幅な価格改定が行われたことが響いた。
また、食材価格の上昇が理由として多かった2020年2月当時に比べ、電気・ガス代や物流費、人件費の上昇など値上げ要因が多様化・複雑化しており、最大で20%以上の大幅な価格引上げを行う企業・食品が多いことも、値上げ率が高止まりする原因となった。2022年 12月単月の値上げはドレッシングなど調味料、ゼリー類や砂糖などを中心に175品目が判明した。11月(882品目)に続き2ヵ月連続で1000品目を下回り年内最少となった。
2023年の値上げで最も多い食品分野は「加工食品」の2128品目で、2023年全体の値上げ予定総数のうち約48%とほぼ半数を占めた。冷凍食品類のほか、小麦製品や水産缶詰といった品目での値上げが目立つ。特に冷凍食品は、今夏に続き3度目となる値上げとなる。「菓子」(252 品目)も、原材料やエネルギーなど製造コストの増加を背景に、再値上げの動きが目立つ。
ドレッシング、ソースなど「調味料」(1065品目)は、主に食用油価格の高騰などが響いた。「酒類・飲料」は949品目で、輸入ウィスキーやワイン、焼酎など主に酒類の値上げが中心となった。特に輸入洋酒は円安にともなう輸入コストの上乗せ効果も重なり、大幅な価格引き上げを行う品目が目立つほか、国内製造品でも発売以来初の値上げとなる商品もみられた。
同調査結果は↓
帝国データバンク:「食品主要105社」価格改定動向調査(12月)
(タックスコム提供)