2023年の干支は“卯(う)”。東京商工リサーチの調査によると、全国で卯年に設立された法人は20万9206社で、全国の法人約340万社の6.1%に過ぎず、十二支では最も少ない。卯年設立の法人のうち、最も古い設立年は1903(明治36)年で、「更生保護法人新潟県保護会」(新潟)や「盛岡信用金庫」(岩手)など24社しかない。卯年設立の法人の産業別では、「サービス業他」が6万6466社(構成比31.7%)で最も多かった。

都道府県別では、最多は「東京都」の4万9294社(構成比23.5%)で、最少は「鳥取県」の723社。都道府県別の法人数に対する卯年設立の法人数は、最高が「秋田県」の7.07%だった。設立年は、2011年が7万8502社(同37.5%)と4割近くを占めた。上場企業3983社のうち、卯年設立は325社(同8.1%)で十二支では6番目に多い。ただ、卯年設立の企業に対する上場企業率は0.15%で、丑年と辰年、亥年の0.12%を上回り一番高い。

卯年の設立年では、最多は2011(平成23)年の7万8502社(構成比37.5%)。次いで、1999(平成11)年の4万3364社(同20.7%)で、平成設立が12万1866社と全体と約6割(58.2%)を占めた。100年超となる1915年以前の設立法人は85社で、構成比はわずか0.04%に過ぎない。産業別の最多は、「サービス業他」の6万6466社(同31.7%)。サービス業のうち、2011年設立は3万3073社とほぼ半数(同49.7%)を占めた。

以下、「建設業」3万1665社(構成比15.1%)、「小売業」2万3888社(同11.4%)、「製造業」2万3388社(同11.1%)、「卸売業」2万709社(同9.8%)、「不動産業」2万360社(同9.7%)、「情報通信業」1万453社(同4.9%)と続き、10産業のうち、7産業が1万社以上だった。一方、最も少なかったのは「農・林・漁・鉱業」の2726社(同1.3%)。業種別では、「食堂,レストラン」が5960社(同2.8%)で最多だった。

前回、卯年の2011(平成23)年は3月に東日本大震災が発生し、社会的にも経済的にも大きな混乱を引き起こした。2022年は世界的パンデミックとなったコロナ禍も3年目に入り、経済活動は停滞から再開への道を歩み始めた。2023年は『癸卯(みずのとう)』と呼ばれる。“癸”は、次の新たな生命が成長し始める状態を意味し、卯年は何かを始めるのに縁起が良く、景気回復などよい年になることが期待される。

同調査結果は↓
東京商工リサーチ:“卯年” 設立の法人 20万9,206社 最古の法人は設立120年の盛岡信金など24社

(タックスコム提供)