博報堂の生活総研が、首都・名古屋・阪神在住の20~69歳の男女の消費者1500名を対象に11月に実施した「来月の消費予報」によると、12月の消費意欲指数は54.4点で、前月比は+8.6ポイントの大幅上昇ながら、前年比では-1.7ポイントの低下となった。また、特に買いたいモノ・利用したいサービスがある人の割合は、全体では前月比は+8.3ポイント、前年比では-5.5ポイントの36.6%となった。
消費意欲指数は、調査パネルの一般生活者1500名に対し、「消費意欲(モノを買いたい、サービスを利用したいという欲求)が最高に高まった状態を100点とすると、あなたの来月(12月)の消費意欲は何点ぐらいか」と質問したもの。クリスマスや年末年始を控える12月は、1年で最も消費意欲指数が高まる月。今年の最高値となったが、前年と比べると-1.7ポイントで、最近5年間では消費税増税があった2019年に次ぐ低い指数となった。
消費意欲指数の理由(OA)をみると、前月と比べて消費にポジティブな回答(11月337件→12月557件)が増加し、ネガティブな回答(11月913件→12月717件)が減少。具体的にポジティブな回答では、「(クリスマス/年末年始の買い物など)季節的な意欲向上」や「ボーナスが入った、入る」が増加。ネガティブな回答では、「他の出費・出費予定のために控える」が減少し、前月非常に多かった「物価高・値上げ・円安」も3割ほど減少している。
また、前年と比べると、消費にポジティブな回答(21年12月639件→22年12月557件)が減少し、ネガティブな回答(21年12月661月件→22年12月717件)が増加。具体的な回答では、「(食べ物の美味しい時期/クリスマスプレゼント、お歳暮など)季節的な意欲向上」が減少。ネガティブな回答では、「物価高・値上げ・円安」が大幅に増加し、「(お金がない、余裕がない、将来不安など)金銭的な理由で節約、我慢」も増えている。
12月らしい消費意欲の上昇はみられるものの、物価高や節約意識が高まっていることが、“おいしいもの”や“贈答”などのこの時期ならではの消費にブレーキをかけそうだ。カテゴリー別の消費意向をみると、前月比では「食品」、「外食」、「書籍・エンタメ」、「飲料」をはじめ16カテゴリー中13カテゴリーで20件以上増加している。一方、前年と比べると「食品」、「ファッション」、「外食」など9カテゴリーで20件以上減少している。
同調査結果は↓
生活総研:来月の消費予報
(タックスコム提供)