パーソル総合研究所が、従業員規模300名以上の企業の正社員を対象に実施した「企業人事の実態に関する調査」結果(有効回答数1450人)によると、人事部の非管理職層の総合職478人が経験した人事職域は、「人材採用」、「労務管理(給与・勤怠・福利厚生)」が多いが、労務管理は「経験があり、今後やりたくない」人も33.9%と多い。「人事戦略・企画」、「組織開発」は、「経験はないが、今後やりたい」人が多い傾向がある。
人事部の非管理職層(総合職)が、経験したことのある人事職域を今後もやってみたいかの経験意向は、「組織開発」、「人事戦略・企画」、「人材開発・育成」への意向が高く、「人事管理(評価・報酬・異動管理)」、「労務管理(給与・勤怠・福利厚生)」、「労使管理(組合交渉・転身支援など)」への意向が低い結果となった。また、未経験だけれどやってみたい人事職域については、「人事戦略・企画」への意向が28.9%と最も高くなった。
また、人事部の非管理職層(総合職)に対し、現在担当する人事職域別にキャリア意向を聞くと、「人事戦略・企画」、「人材開発・育成」の担当者では管理職意向がそれぞれ49.5%、47.6%と高く、「労務管理(給与・勤怠・福利厚生)」、「人事管理(評価・報酬・異動管理)」、「HRテクノロジー推進/人事データ活用」の担当者では管理職意向がそれぞれ31.7%、34.6%、36.8%と低い傾向がみられた。
総合職に限らず人事部の非管理職層650人がやりがいを感じる業務の特性は、「現場に寄り添い困りごとを解決している」、「従業員の意見や反応を業務に生かしている」などの『従業員対応』、「社員の成長を感じる機会がある」などの『従業員支援』、「高い専門性・スキルを要する仕事をしている」、「人事の専門的な知識を生かした仕事をしている」などの『専門性発揮』において、やりがいを強く感じる傾向がみられた。
人事部の非管理職層が、仕事をする上で意識している視点は、全体的に、経営視点に近い「人事部長」の視点や、事業部視点に近い「事業部長」の視点よりも、「従業員」の視点を強く意識している傾向がみられた。また、人事部の非管理職層の学習行動は、総合職の70.7%が、「人事労務に関することを自ら学んでいる」、「人事労務以外の領域を自ら学んでいる」「人事に関する勉強会・交流会に参加」のいずれかの学習行動をとっていた。
同調査結果は↓
パーソル総合研究所:企業人事の実態に関する調査結果
(タックスコム提供)