大阪シティ信用金庫が府内の取引先企業を対象に実施した「中小企業の2022年冬季ボーナス支給予定調査」結果(有効回答数1041社)によると、今年の冬季ボーナスの予定は、「支給する」企業は61.7%で、前年冬に比べ3.1ポイント増加した。支給企業割合が増加するのは2年連続。同割合は2020年に大きく下落(▲11.2ポイント)して以降、3年ぶりに60%台を回復したものの、コロナ禍前(65.2%)の水準には未だ戻っていない。

一方、「支給しない」企業は38.3%で、その内訳をみると、「ボーナスは支給できないが、その代わりに少額の手当を出す」とする企業が27.9%(前年冬比▲0.4ポイント)、「全く支給なし」とする企業は10.4%(同▲2.7ポイント)となり、共に前年冬比で減少している。業種別でみると、「支給する」企業割合は「建設業」(67.6%)が最も高く、飲食店を含む「小売業」(41.8%)で最も低くなった。前年冬比では「運輸業」のみ減少している。

正社員1人当たりの平均支給予定額は28万9265円で、前年冬に比べ1320円、率にして 0.5%の増加となる見込み。同支給予定額の増加は2年連続だが、原材料やエネルギーの価格上昇などが先行き不安要素となり、昨年(341円増)に続き微増額にとどまる。また、支給額を増やす企業の増加要因(複数回答)では、「従業員のモチベーションを向上させるため(士気高揚)」(79.6%)が最多、「業績が好調なため」(61.1%)を大きく上回った。

これに対し、減らす企業の減少要因(複数回答)では、「業績が低迷しているため」(88.0%)が圧倒的に多い。業種別でみると、平均支給予定額は「建設業」(30万138円)が唯一30万円を超え、最多。前年冬に比べると、「製造業」(▲1万7053円)と「サービス業」(▲2351円)で減少した。さらに従業者規模別でみると、「50人以上」が31万1702円と30万円を超えているが、前年冬比では、3万3090円、率にして▲9.6%減少した。

今冬のボーナス支給は自社の収益状況に照らしてどの程度かという支給事情は、「適正範囲内で支給する」と答えた企業が81.3%と圧倒的に多い。逆に、「多少無理をして支給する」と答えた企業は18.7%で、前年冬に比べ0.9 ポイント増加。収益環境の厳しいなかで、人材・人員の確保や従業員のモチベーション向上などのために多少無理をしてでもボーナスを支給せざるを得ない状況がうかがえる。

同調査結果は↓
大阪シティ信用金庫:中小企業の2022年冬季ボーナス支給予定

(タックスコム提供)