日経新聞:タワマン節税是正検討、評価額を適正水準に 政府・与党

政府・与党は高額なタワーマンションなど不動産を活用した相続税の過度な節税を防ぐ検討に入った。高額な物件を相続すると、申告時の評価額が実勢価格を大幅に下回る事例が増えている。国税庁が2023年に有識者会議を設置して価格の乖離(かいり)の現状を分析し、評価額を適正な水準に上げるルールの見直しを検討する。

30日に開く自民党税制調査会で論点を示す。23年度与党税制大綱で今後の検討課題に盛り込むことを目指す。

検討会ではまずどのような物件で価格の差が大きいか、地域差があるかなどの現状分析をする。早ければ23年中にも評価方法を定める国税庁の通達を改正する可能性がある。

評価方法をどのように見直すかは今後詰めるが、例えば建物を評価するのに使う倍率を上げたり、近隣地域の取引価格から算定したりするなどの案を検討するとみられる。

国税庁は実勢価格が評価額を大きく上回る物件を念頭に新たな算定方法を適用する方針だ。実勢価格が評価額をどれだけ上回れば対象とするのか、地域で差を付けるかなども今後検討する。原則としては固定資産税評価額や路線価を基にする現在の評価手法が今後も残る。