日経新聞:人的資本開示、23年3月期から 大手4000社対象

人材を企業の資本とみなす「人的資本」の開示義務化に向けて、金融庁が検討してきた制度の詳細が固まった。有価証券報告書(有報)を発行する大手企業4000社を対象とし、2023年3月期決算以降の有報に人材投資額や社員満足度といった情報の記載を求める。上場企業の多くを占める3月期企業は早急な対応を迫られる。

人的資本は人材、または人材が持つ知識や技能、意欲などを指す。近年、米欧を中心に従業員をコストではなく「付加価値を生み出す資本」と捉え、財務情報だけで測れない企業の本質的な価値を探る動きが広がっている。

日本は国内総生産(GDP)に占める企業の能力開発費の割合が米欧に比べて低い。岸田文雄政権は人への投資を「新しい資本主義」の柱としており、投資を加速させるため、企業に情報開示を求める方針を示していた。