日経新聞:富裕層の申告漏れ所得が過去最高 839億円、国税庁調査

国税庁は24日、今年6月までの1年間(2021事務年度)に実施した所得税などの調査結果を発表した。高所得者や不動産の大口所有者ら「富裕層」の申告漏れ所得の総額は前年度比72.3%増の839億円で、富裕層対象の統計を始めた09年度以降で最高額だった。1件当たりの申告漏れ金額は3767万円だった。

全体の調査件数は約59万9千件(前年度比19.4%増)で、申告漏れ所得の総額は7202億円(同29.1%増)、追徴税額は1058億円(同44.5%増)だった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で減っていた対面での調査などが増え、いずれも前年度を上回った。

国税庁はインターネット上のサービスを利用して民泊などを運営する「シェアリングエコノミー」や配達代行業など、新しいビジネスモデルに関する調査を強化。東京国税局は、マッチングアプリを介して知り合った人と飲食を共にする「ギャラ飲み」で得た所得約4千万円を申告しなかった女性に対し、加算税を含む約1100万円を追徴課税した。

個人事業主の消費税の申告漏れなどは前年度比13.9%増の約5万5千件、追徴税額は同73.3%増の312億円だった。