日経新聞:後期高齢者の4割、保険料上げ 医療費を所得に応じ負担
厚生労働省は17日、75歳以上が加入する後期高齢者医療制度の見直し案の骨格を示した。所得比例部分の負担を増やし、加入者の約4割を対象に保険料を上げる。保険料上限も年66万円から80万円にする。試算では820億円の負担増となる。能力に応じた負担を強め、現役世代の負担を抑える。ただ給付抑制や効率化の議論は低調で、医療費急増への備えは半ばだ。
同日の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の部会に示した。後期高齢者医療制度は窓口負担を除いた約17兆円の医療費のうち、保険料でおよそ1割、現役世代の拠出金で4割、残りの5割を公費でまかなう。
このうち保険料を引き上げ、現役世代の拠出金負担を抑える。2024年度から年間上限額を80万円とし、高所得者に一定の負担増を求める。加入者の約1%が対象となる。上限の引き上げ幅はこれまで大きくても5万円で、今回の14万円は過去最大だ。
年収153万円超の人が収入に応じて負担する「所得割」部分も年収に応じて増やす。後期高齢者の約4割が該当する。
現役世代の負担ばかり膨らむ不公平な現状を見直す狙いがある。