帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、10月の倒産件数は594件で、前月比では1.9%増加、前年同月比でも16.0%増加し、6ヵ月連続の前年同月比増加となった。前年同月からの増加規模(82件)は、前年同月から反動増となった2021年5月を除くと、2020年4月(107件)以来2年6ヵ月ぶり。2022年5月以降、コロナ禍での増加基調が続いている。

一方、負債総額は806億2600万円(前月1350億3100万円、前年同月967億2700万円)となり、前月比では▲40.3%減、前年同月比でも▲16.6%の減少となり、2022年5月以来5ヵ月ぶりの前年同月比減少となった。規模別にみると、10 億円以上の倒産は4年6ヵ月ぶりに一ケタ件数となった。10月の負債額トップは、総合医療コンサルタントのアイテック(株)(民事再生法、東京都)の132億9500万円だった。

業種別にみると、7業種中5業種で前年同月比増加。製造業(前年同月53件→73件)では、特に食料品・飼料・飲料製造(同6件→26件)が2019年10月以来、3年ぶりに20件を超えるなど急増。小売業(同112件→131件)は、飲食店(同47件→53件)が8ヵ月ぶりに増加したほか、菓子小売など飲食料品小売(同13件→32件)で大幅に増加した影響もあり、全体でも2020年4月以来2年6ヵ月ぶりの2ヵ月連続増加となった。

負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は580件(前年同月比15.3%増)で、3ヵ月連続の前年同月比増加、構成比は56.7%を占めた。また、「1億円未満」は104件(同52.9%増)、「5億円未満」では125件(同23.8%増)発生し、中小零細規模での倒産増加が目立った。一方、10億円以上の倒産は6件にとどまり、4年6ヵ月ぶりの一ケタ件数。資本金規模別では、「個人+1000万円未満」が412件(同17.4%増)発生した。

地域別にみると、前地域で前年同月を上回り、7ヵ月ぶりに全都道府県で倒産が発生した。東北(前年同月26件→45件、73.1%増)では、建設業(同3件→11件)や製造業(同3件→9件)の増加もあり、過去20年で最長となる10ヵ月連続での前年同月比増加を記録した。関東(同193件→194件、0.5%増)は、東京が2ヵ月連続で100件台を記録したこともあり、全体でも2019年12月以来2年10ヵ月ぶりに6ヵ月連続の増加となった。

同倒産状況の概要は↓
帝国データバンク:2022年 9月報

(タックスコム提供)