厚生労働省が常用労働者30人以上を雇用する民間企業を対象に1月1日現在の状況で実施した「就労条件総合調査」結果(有効回答数3757社)によると、2021年1年間に企業が付与した年次有給休暇日数は労働者1人平均17.6日(前年17.9日)、そのうち労働者が取得した日数は10.3日(同10.1日)で、取得率は58.3%(同56.6%)となり、取得日数は過去最多(1984年以降)、取得率は過去最高(同)となったことが分かった。

取得日数や取得率の上昇は、2019年4月から年5日の有給の確実な消化が企業に義務付けられたことが影響しているとみられる。労働者1に当たりの平均取得率を企業規模別にみると、「1000人以上」が63.2%、「300~999人」が57.5%、「100~299人」が55.3%、「30~99人」が53.5%。産業別にみると、「複合サービス業」が72.4%と最も高く、「宿泊業、飲食サービス業」が44.3%と最も低くなっている。

2021年における1日の所定労働時間は、1企業平均7時間48分(前年7時間47分)、労働者1人平均7時間47分(同7時間46分)と前年とほぼ変わらない。また、主な週休制の形態をみると、「何らかの週休2日制」を採用している企業割合は83.5%(同83.5%)、このうち、「完全週休2日制」を採用企業割合は48.7%(同48.4%)。年間休日総数の1企業平均は107.0日(同110.5日)、労働者1人平均は115.3日(同116.1日)だった。

賃金制度をみると、基本給の決定要素(複数回答)別に企業割合をみると、管理職、管理職以外ともに、「職務・職種など仕事の内容」が最も高く(管理職79.3%、管理職以外76.4%)、次いで「職務遂行能力」(管理職 66.6%、管理職以外 66.3%)。また、時間外労働の割増賃金率を「一律に定めている」企業割合は85.3%、そのうち時間外労働の割増賃金率を「25%」とする企業割合は92.8%、「26%以上」とする企業割合は6.1%だった。

賞与については、制度がある企業割合は 87.9%で、そのうち、「賞与を支給した」が92.8%、「賞与を支給しなかった」が6.5%。賞与制度がある企業のうち、賞与の算定方法がある企業割合は、管理職では82.9%、管理職以外では85.8%。そのうち、算定方法(複数回答)別に企業割合をみると、管理職、管理職以外ともに「考課査定により算定(個人別業績)」が管理職61.4%、管理職以外65.9%と最も高くなっている。

同調査結果の概況は↓
厚生労働省:令和4年就労条件総合調査の概況

(タックスコム提供)