日経新聞:厚生年金、パート適用拡大へ議論 50人以下企業も対象に
厚生労働省はパートら短時間労働者が厚生年金に入れる要件を緩和する検討に入る。2年後に従業員51人以上の企業で働く人に広げるが、従業員数の要件撤廃も視野にさらなる対象拡大を議論する。年金財政の悪化で、国民年金(基礎年金)は将来の目減りが予想される。国民年金の上乗せ部分である厚生年金を受け取れる人を増やし、老後資金の底上げを狙う。
年金の改革をめぐっては厚生年金のパート適用拡大のほか、年金の基礎部分となる国民年金の底上げ策も検討事項になる。厚生年金の財源などで穴埋めして国民年金の給付水準の低下を抑えたり、国民年金の納付期間を現状の40年から45年に延ばしたりする案がある。
さらに中長期的には、フリーランスやギグワーカーといった従来の枠組みに収まらない労働者を支えるための新たな仕組みの創設も課題となる。政府は少子高齢化が進むなか、社会保障制度の維持に向けて9月に全世代型社会保障構築会議の議論を再開した。多様な労働者を厚生年金など社会保険の対象に加える「勤労者皆保険」は主要なテーマに浮上する。