厚生労働省の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)分科会は26日、給与をデジタルマネーで支払う制度の導入を盛り込んだ労働基準法の省令改正案を了承した。労働者側の同意がある場合などに限り、企業側はデジタルマネーで給与の支払いができる。省令は11月に公布し、2023年4月に施行する。
労働基準法は賃金の現金払いを原則とし、銀行・証券総合口座への振り込みも認めている。今回の省令改正により、「PayPay」「楽天ペイ」といたスマートフォン決済アプリ口座も入金先として選択できるようになる。
資金移動業者への給与の支払いは労使協定を締結のうえ、労働者が希望して同意した場合に限る。企業側は資金移動業者を給与支払先として設定する場合も、銀行口座や証券総合口座への選択肢も合わせて提示する必要がある。現金化できないポイントや暗号資産(仮想通貨)での支払いは認めない。
給与振り込みを手掛ける資金移動業者は厚労相の指定を受ける必要がある。厚労省は今後、専門知識を有する人材の確保などを通じて監視体制を強化する。事業者の指定などに時間を要するため、実際の振り込みが始まるのは施行から数カ月後の見通しだ。
デジタル給与、23年4月解禁 厚生労働省
2022/10/27