日本政策金融公庫は、「食品産業動向調査(2022年7月調査)」を実施し、特別調査として、食品産業における輸出の取組み状況について調査した。その調査結果(有効回答数2634社)によると、食品産業における輸出(輸出向け製品の製造や海外への店舗展開を含む)の取組み状況は、「既に取り組んでいる」とする企業が27.5%、「今は取り組んでいないが、今後取り組みたい」が21.2%となった。
過去2回の調査(2021年7月調査、同年1月調査)と同様に、「既に取り組んでいる」は約3割、「今は取り組んでいないが、今後取り組みたい」は約2割で推移している。製造業では、「既に取り組んでいる」と「今は取り組んでいないが、今後取り組みたい」の回答割合が他の業種よりも高くなった。卸売業、小売業、飲食業では、「今は取り組んでいないが、今後取り組みたい」の回答割合が「既に取り組んでいる」の回答割合を上回った。
製造業の品目別では、「既に取り組んでいる」の回答割合は、「酒類」(83.4%)で最も高く、次いで、「調味料」(51.6%)、「飲料」(48.9%)、「水産食品」(37.2%)、「めん類」(36.1%)の順となった。「今は取り組んでいないが、今後取り組みたい」の回答割合は、「農産保存食品」(32.1%)で最も高く、次いで、「菓子」(31.1%)、「水産食品」(29.4%)、「精穀・製粉」(28.3%)、「食肉加工品」(26.4%)が続いている。
輸出に「既に取り組んでいる」と回答した先の輸出対象国(地域)(あてはまるもの全て)は、「香港」と「台湾」(ともに55.5%)が最も多く、次いで「米国」(51.5%)、「シンガポール」(40.9%)、「中国」(40.2%)、「EU」(32.4%)。今後新たに開始・拡大したい輸出対象国(地域)(あてはまるもの全て)は、「米国」(33.1%)が最も多く、次いで「台湾」(29.9%)、「EU」(28.7%)「中国」(27.3%)、「香港」(24.1%)となった。
輸出に「既に取り組んでいる」企業が今後新たに開始・拡大したい輸出対象国(地域)(あてはまるもの全て)について、製造業の品目別では、水産食品、野菜漬物など農産保存食品、調味料、めん類、茶を含む飲料、酒類では「米国」または「EU」が最多。食肉加工品では「香港」に次いで「中国」、「シンガポール」が多い。今後新たに開始・拡大したい輸出対象国(地域)は、「インドネシア」などの東南アジアや「インド」などへの広がりが見られる。
同調査結果は↓
日本政策金融公庫:食品産業動向調査(令和4年7月調査)特別調査:食品産業における輸出の取組み状況
(タックスコム提供)