日経新聞:少額送金「ことら」開始 決済手数料で稼げない時代に

銀行のビジネスモデルは変わらざるを得ないですね。

大手銀行が主導するスマートフォンを通じた個人間の少額送金サービス「ことら」が11日に始まる。相手の口座番号を知らなくても、携帯電話番号などを使って無料もしくは安く送金できるのが特徴だ。すでに約40行が参加を表明。小口の銀行振り込みを置き換える可能性があり、個人利用のデジタル通貨を開発するキャッシュレス決済企業なども無料を意識せざるをえなくなる。銀行は決済手数料では稼げない時代になる。

ことらに参加する金融機関の口座数は1億8000万を超える。ことらが存在感を高めれば、デジタル通貨などを使って低額の決済サービスを実現しようとしていたフィンテック企業への影響も出そうだ。例えば、銀行振り込みの10分の1の決済手数料を目指していたデジタル通貨決済会社の幹部は「個人向けではなく企業間決済に力を入れたい」(同社幹部)と戦略転換を示唆する。

地域金融機関に与える影響も大きい。11日からことらに参加するのは約100行中15行にとどまる。手数料を安くする趣旨に異論はなくても、大手銀行からの送金に伴う手数料を無視できない地銀は「収益への影響を考えると、参加をためらわざるをえない」という。参加を決めた銀行の幹部は「ことらによる減収分は別の手数料上げによって収支を均衡させたい」と話しており、今後の負担増を示唆する。