帝国データバンクが発表した「企業が求める人材像アンケート調査」結果(有効回答数1550社)によると、採用活動において求めている人材像(3つまで複数回答)は、「コミュニケーション能力が高い」(42.3%)と「意欲的である」(42.2%)が4割超となった。次いで、「素直である」(35.0%)、「真面目、または誠実な人柄である」(31.8%)、「明るい性格である」(21.9%)が上位に挙げられた。

主に採用するのは新規卒業者か、既に就業経験のある中途入社者かを尋ねたところ、「新卒採用がメイン」は21.3%、「中途採用がメイン」は56.6%となった。ただし、企業規模別でみると、大企業の48.8%が「新卒採用がメイン」と回答したのに対して、中小企業では「新卒採用がメイン」とした企業は16.9%にとどまり、60.0%が「中途採用がメイン」と回答している。

さらに、小規模企業では、およそ3社に2社の企業が「中途採用がメイン」(63.5%)としており、企業規模が小さいほど即戦力として期待できる中途採用の割合が高まっている。また、求める人材像について、採用形態別の新卒と中途で5ポイント以上の差がある項目をみると、新卒採用をメインとする企業では、「コミュニケーション能力が高い」、「精神的にたくましい」の割合が高くなった。

他方、中途採用をメインとする企業では「真面目、または誠実な人柄である」、「専門的なスキルを持っている」の割合が高い。なお、企業から寄せられた声をみると、新卒者に対しては、将来的にどのような職種に進むとしても、入社後に業務を教え育てていく上で必要となる基本的な能力・資質が求められ、一方で、中途入社者に対しては、即戦力として業務に従事できる能力や、誠実で信頼できる人柄が求められていることが明らかとなった。

帝国データバンクは、「人手不足を要因とした倒産が一部で発生するなど、人材不足による企業経営への悪影響が懸念される。少子化などによって若者を中心に人材の絶対数が減るなかで、優秀な人材を確保することは容易でないが、経営上の重要度は高い。そのため企業を安定的に運営し成長させていくうえで重要な資産である人材を、適切に採用し育成することがこれまで以上に肝要といえる」とコメントしている。

「企業が求める人材像アンケート調査」結果は↓
帝国データバンク:企業が求める人材像アンケート

(タックスコム提供)