日経新聞:起業意欲が再点火、女性もシニアも 難所は資金調達

新型コロナ禍で冷え込んだ起業意欲に再点火の兆しが見えてきた。東京商工リサーチによると2021年に新しく設立された法人は14万4622件と2年ぶりに増加に転じ、前年比の増加率は10%と07年以降最大の伸びだった。岸田文雄首相は2022年を「スタートアップ創出元年」と位置づける。果たして起業文化は根付くのか。現状と課題を点検する。

コロナ禍を経た今の起業熱には、いくつかの特徴がある。第1は担い手の拡大だ。日本政策金融公庫総合研究所の調査によると、女性の開業者の割合は10年前は全体の15%程度にとどまっていたが、20年度以降は2割を超えた。
第2は、IT(情報技術)の進展で時間や場所に縛られにくくなったというビジネス環境の変化だ。
第3が、営利だけ追求するのを良しとしない起業目的の変化だ。
起業への意欲が回復傾向にある一方で、会社経営の「血流」となる資金調達のハードルは高くなっている。