東京商工リサーチの調査・集計によると、7日は16時時点で「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1000万円以上)が8件判明、全国で累計4008件となった。2021年の年間件数は1718件に達し、2020年の843件に比べて2倍に増加。2022年も8月までに19ヵ月連続で100件超えを記録したほか、前年同期比3割増の累計1400件(前年同期比33.2%増)に達した。9月も7日時点で47件が判明し、高水準が続いている。

倒産集計の対象外となる負債1000万円未満の小規模倒産は累計209件判明。この結果、負債1000万円未満を含めた新型コロナ関連破たんは累計で4217件に達した。国内の企業数(358万9,333社、2016年総務省「経済センサス」)を基にした比率では、コロナ破たん率は0.117%で1000社に1社が破たんした計算。都道府県別で最も比率が高いのは東京都の0.211%、一方最低は宮崎県の0.040%で、地域間での格差がみられる。

多くの企業で利用されたコロナ関連融資は、据置き期間が終了し、返済開始を迎える時期に差し掛かってきた。だが、コロナ禍以前の水準にまで業績が回復せず、資材高や物価高などの事業環境の悪化も重なり、返済原資を捻出できないケースが増加している。過剰債務に陥った企業の息切れや脱落が件数をさらに押し上げ、コロナ破たんは引き続き増勢をたどる可能性が高まっている。

都道府県別では、「東京都」が840件と全体の2割強(構成比20.9%)を占め、突出している。以下、「大阪府」404件、「愛知県」202件、「福岡県」192件、「神奈川県」186件、「兵庫県」170件、「北海道」155件、「埼玉県」144件、「静岡県」108件、「千葉県」105件と続く。10件未満は「鳥取県」のみの1県、10~20件未満が3県、20~50件未満が23県、50件以上100件未満が10府県、100件以上は10都道府県に広がっている。

業種別では、来店客の減少、休業要請などで打撃を受けた「飲食業」が最多で631件に及ぶ。営業制限が続いた地域を中心に、経営体力の消耗やあきらめによる飲食業の新型コロナ破たんがさらに増加する可能性も強まっている。次いで、工事計画の見直しなどの影響を受けた「建設業」が453件、小売店の休業が影響した「アパレル関連(製造、販売)」の299件。このほか、飲食業などの不振に引きずられている「飲食料品卸売業」が175件。

「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産した3867件の形態別では、「破産」が3473件(構成比89.8%)で最多。次いで「民事再生法」が156件、「取引停止処分」が143件、「特別清算」が77件、「内整理」が14件、「会社更生法」が4件と続く。「新型コロナ」関連倒産の約9割を消滅型の破産が占め、再建型の会社更生法と民事再生法の合計は1割未満にとどまる。先行きのめどが立たず、再建型の選択が難しいことが浮き彫りとなっている。

同調査結果は↓
東京商工リサーチ:コロナ破たん9月もハイペース 7日時点で47件判明、累計は4,217件に

(タックスコム提供)