NTTデータ経営研究所が発表した「新型コロナウイルス感染症と働き方改革調査」結果(有効回答数1103人)によると、2019年4月1日からの働き方改革関連法の施行、そして新型コロナウイルス感染症対策に迫られた2020年以来、働き方改革に取り組む企業は増加していたものの、今回(2022)の調査では前回(2021)調査と比べて9.9ポイント減少し、全体の46.1%となっている(56.0%→46.1%)。

ただし、働き方改革を「実施していない」は微増(29.1%→31.4%)にとどり、「わからない」が増加(14.9%→22.6%)していることから、コロナ禍が長期化する中で、勤務先の働き方改革に関する取組みが従業員から見えにくくなっている影響が表れている可能性がある。働き方改革の取組み(複数回答)では、「テレワーク制度」(58.9%)と「休暇取得の推進」(53.8%)が、継続して行ってほしい施策として最も多く挙がっている。

コロナ禍における働き方・キャリア志向の変化は、「コロナ禍を経て、働き方・今後のキャリア志向に何らかの変化があった」と回答した人(24.2%)と「コロナ禍を経て、働き方・今後のキャリア志向に何らかの変化がなかった」と回答した人(75.8%)について、キャリア志向にどのような変化があったか比較すると、前者は「自身の専門性の有無にかかわらず、新しいことに挑戦し続けたい」(28.1%)という回答が多かった。

その一方で、後者では「雇用の安定性を重視して働きたい」(35.6%)、「同じ職場において同一業務に従事し続けたい」(32.9%)が多く、「自身の専門性の有無にかかわらず、新しいことに挑戦し続けたい」(9.0%)と回答した人は少なかった。このことから、コロナ禍を経て、新しいことに挑戦し続けたい層と、同じ職場で同一業務に従事し続けたい層とで二極化が推し進められている結果が浮き彫りになった。

また、コロナ禍前と比べて、「転職時に重視する条件に変化があった」と回答した人(11.8%)のうち、重視する条件(3つまで回答)として、「テレワークが導入されている、または許可される頻度が高いこと」(35.4%)が多かった。この数値は、最も重視される条件の「給与水準が高い」(38.5%)の次に高く、「自身の目指すキャリアと業務内容が合致している」(31.5%)より高い結果となった。

なお、テレワーク導入のメリットとデメリットを比較して、「メリットが上回ると感じる」とする回答者(69.5%)が多かった。テレワークにメリットを感じている点(複数回答)は、上位3つを順に並べると、「通勤等の移動時間を他の時間に充てられる点」(73.3%)、「通勤等の移動がない分、身体的な負担がない点」(59.8%)、「身支度を簡略化できる点」(33.7%)となっており、通勤からの解放を理由に挙げる回答者が圧倒的に多かった。

同調査結果は↓
NTTデータ経営研究所:「働き方改革 2022 with コロナ」

(タックスコム提供)