日経新聞:HIS、ハウステンボス売却と1億円減資をつなぐ「欠損金」

エイチ・アイ・エス(HIS)が虎の子の売却を最大限生かそうと手を打っている。8月末にテーマパークのハウステンボス(長崎県佐世保市)の運営子会社の売却と、1億円への減資を相次ぎ決めた。決算期末直前に臨時株主総会まで開いて減資する背景には、ハウステンボス売却で得られる利益を税務面でもフル活用しようとの思惑がある。

資本金が1億円超の場合、繰越欠損金をすべて利益と相殺できるわけではない。例えば100億円の繰越欠損金がある企業が今年50億円の利益を計上しても、25億円しか使えず、残り25億円には課税されることになる。
それが資本金1億円以下の中小企業となると、利益をすべて繰越欠損金と相殺できるようになる。上記の場合50億円の利益をすべて繰越欠損金と相殺して利益がゼロになるため、税負担は生じなくなる。