帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、6月の倒産件数は544件で、前月比では5.2%増、前年同月比でも1.3%増となり、前月から引き続き前年同月比で増加し、2020年7月以来、約2年ぶりの2ヵ月連続で増加となった。業種別では、7業種中、建設業やサービス業など5業種で前年同月を上回っている。
一方、負債総額は1兆2839億800万円(前月785億4000万円、前年同月725億8300万円)となり、前月比では1534.7%増、前年同月比でも1668.9%増の大幅増加となった。これは、自動車部品製造では過去最大の法的整理となったマレリホールディングス(株)(埼玉県、民事再生、負債額約1兆1856億2600万円)の影響で、タカタ(株)が倒産した2017年6月以来5年ぶりの1兆円超えを記録した。
業種別にみると、7業種中5業種で前年同月を上回った。資材・輸送費などコスト上昇が続く建設業(前年同月97件→114件、17.5%増)は、木造建築工事などの総合工事業(同33→47件)などが増加し、全体の件数を押し上げた。サービス業(同118件→135件、14.4%増)では、4ヵ月連続で増加。特に広告制作(同3件→7件)や経営コンサルタント(同3件→8件)の分野で増加が目立った。
負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は317件(前年同月比2.6%増)で、2ヵ月連続の増加となり、構成比は58.3%を占めた。このうち、サービス業(98件)が構成比30.9%(対前年同月4.7ポイント増)を占め最多。建設業(69件)が構成比21.8%(同3.0ポイント増)が続く。資本金規模別では、資本金1000万円未満(個人事業主含む)の倒産が359件(前年同月351件、2.3%増)、構成比は66.0%を占めた。
地域別にみると、9地域中、5地域で前年同月を上回った。北海道(前年同月11件→17件、54.5%増)は、運輸業(同0件→5件)の増加もあり、4ヵ月連続で前年同月比二ケタ以上の大幅増。関東(同200件→216件、8.0%増)では、卸売業(同24件→30件)やサービス業(同49件→67件)の増加などが全体を押し上げた。また、近畿(同134件→141件、5.2%増)は、大阪(同65件→68件)が6ヵ月ぶりの前年同月比増加に転じた。
同倒産状況の概要は↓
帝国データバンク:2022年 6月報
(タックスコム提供)