2022年度の決定初任給（2022年４月に確定した初任給）の水準は、大学卒（一律）で21万854円、高校卒（同）で17万3032円だったことが、産労総合研究所が上場企業等を対象に実施した「2022年度決定初任給調査」結果（有効回答数305社）で分かった。４月入社者の初任給を引き上げた企業は41.0％（21年調査29.8％）と、コロナ禍前の2019年度水準（50.6％）までは戻っていないが１割以上増えた。据え置いた企業は55.4％（同65.7％）。

初任給を引き上げた理由（複数回答）は、最多が「人材を確保するため」で63.2％、次いで「在籍者のベースアップがあったため」が45.6％。規模別にみると、「人材を確保するため」は大企業が68.1％と前回（58.6％）から約10ポイント増えたことが注目される。一方、初任給を据え置いた企業の理由（複数回答）は、「現在の水準でも十分採用できるため」が54.4％、次いで「在籍者のベースアップがなかったため」が30.2％となっている。

2022年度の初任給額をみると、職種やコースによる格差がなく、一律に初任給を決定している企業の場合、大学卒は21万854円、高校卒は17万3032円となっている。一方で、職種やコース（総合職と一般職、広域勤務と地域限定勤務など）で初任給額に格差を設けている場合、大学卒の「最高額」は22万5166円、「最低額」は20万1578円。高校卒では「最高額」は18万2183円、「最低額」は16万9815円だった。

４月入社の新卒入社者の場合、入社年度の夏季賞与の支給日には在籍しているものの、算定期間としてはわずかか、あるいは算定期間を過ぎた後の入社という場合が多いが、その中で、何らかの形で夏季賞与を「支給する」企業は83.0％、「支給しない」企業は8.2％。支給額の平均をみると、「大学卒」８万9334円、「高校卒」７万3848円だった。なお、夏季賞与の支給方法は、「一定額（寸志等）を支給」が65.2％と６割以上となっている。

同調査結果は↓
産労総合研究所：2022年度決定初任給調査

（タックスコム提供）