コロナ禍において飲食店では、制約条件の有無にかかわらず、様々な対応を取りながら営業を継続していくことが求められている。一方、人出不足や原材料高騰など飲食店の経営環境は悪化しており、課題解決手段の一部としてデジタルツール導入への関心を寄せる経営者も多いとみられる。そこで、グルメ外食総研では、全国の18歳以上の飲食店経営者を対象に「DXに対する興味・関心と導入状況・効果の調査」を実施した。

調査結果(有効回答数1141人)によると、今回の調査対象とした経営者の42.8%がデジタルツールの導入に対し、「興味・関心がある」と回答した。4割以上という数値は決して少ない割合ではないものの、国が目指す社会全体のデジタル化に向けて、まだまだ伸びしろも大きいと捉えられそうだ。デジタルツールの導入状況をみると、提示した15のデジタルツールのいずれかを導入していると回答があった割合は、55.6%だった。

また、導入を検討しているデジタルツールがある経営者の割合は38.6%だった。既に導入されているデジタルツールとしては「キャッシュレス決済」(37.5%)、「自社ホームページの制作/ローカルビジネス登録サービスの活用」(23.8%)、「集客販促ツール」(21.2%)がトップ3だが、検討中の割合としては「セルフオーダー、スマホオーダー」(12.4%)がトップで、次いで「経営管理システム」、「集客販促ツール」が同率(11.8%)で続く。

既に導入されているデジタルツールの上位と検討中のデジタルツールの上位が異なることから、導入するデジタルツール多様化の進行がうかがえる。また、いずれかのデジタルツールを導入している対象者の、その効果の実感は、何らかの「効果あり・計」は80.6%と高い数値。特に「人事労務管理」系のツールでは3カテゴリー共に9割を超える効果実感があり、カテゴリー計で94.9%と、ほとんどの利用者が効果を実感しているようだ。

ほかにスコアが高かったのは「ハンディ」で95.0%の効果実感だった。おおむね各ツールの機能・役割に即した効果を実感しているようだが、全体的には感じている効果のトップ2は、1位「売上UP」(48.1%)、2位「顧客満足度UP」(37.5%)だった。デジタルツールというとコスト削減や業務効率化の効果がクローズアップされることが多いが、売上や顧客満足度の向上への効果を実感しているという実態も注目される発見だ。

同調査結果は↓
ホットペッパーグルメ外食総研:飲食店経営者のDXに対する興味・関心と導入状況・効果の調査

(タックスコム提供)