国税庁は、適用額明細書の正確な記載を呼びかけている。「適用額明細書」とは、法人が法人税関係特別措置の適用を受けようとする場合に、その租税特別措置法の条項、適用額その他の事項を記載し、法人税申告書に添付して提出する書類をいい、一覧表形式の様式となっている。「法人税関係特別措置」とは、例えば、中小企業者等の法人税率の特例といった法人税に関する租税特別措置のうち、税額又は所得の金額を減少させる規定等をいう。

法人税関係特別措置の適用を受けるためには、誤りのない適用額明細書を提出する必要があるが、これまで税務署に提出された適用額明細書の中には、下記のような誤りが多く見受けられるとして、適用額明細書の正確な記載を呼びかけているわけだ。 適用額明細書に記載誤りがある場合は、正しく記載した適用額明細書を改めて提出する必要があるので、適用額明細書の作成に当たっては、十分に注意する必要がある。

よくある記載誤りとして、国税庁は、まず、(1)法人税申告書別表からの転記誤りを指摘している。「期末現在の資本金の額又は出資金の額」及び「所得金額又は欠損金額」の各欄は、法人税申告書別表一(一)等の「期末現在の資本金の額又は出資金の額」及び「所得金額又は欠損金額」の各欄に記載されたものと同額を記載する必要がある。また、欠損金額の場合は、金額に「△」又は「-」を付さなければならない。

次に、(2) 「区分番号」の記載誤りがある。「区分番号」は、適用を受けようとする法人税関係特別措置が同一であっても、税制改正に伴い、その措置の内容が変更されたことにより、改正前後の「区分番号」が異なる場合があるので、適用を受けようとする事業年度の「適用額明細書の記載の手引」を参照し、正しく記載なければならない。さらに、(3)適用限度額がある措置の適用額の記載誤りがある。

これは、「中小企業者等の法人税率の特例」等の適用限度額がある措置については、適用限度額を超えないように適用額を記載しなければならない。例えば、 「中小企業者等の法人税率の特例」においては、所得金額が900万円であっても、この措置の適用限度額は、年800万円であるため、「適用額明細書」には、「8,000,000円」と記載することになる。 最後に、(4) 「所得金額が0円」又は「欠損金額」である場合の税額控除適用等の記載誤りがある。

これは、「所得金額が0円」又は「欠損金額」である場合には、「税額控除」や「中小企業者等の法人税率の特例」のような適用を受けることができない措置の記載は不要ということだ。そのほか、作成した「適用額明細書」は、他の書類とホチキスどめ等をしないで、法人税申告書に挟み込んで提出することや、OCR入力用の用紙は、機械で読み取るので、折ったり汚したりしないように注意を呼びかけている。

この件は↓
国税庁:適用額明細書に関するお知らせ

(タックスコム提供)