日経新聞:iDeCo、受給時期に一工夫 退職金とずらし節税効果

退職金受取り時期ずらしについては、以前から企業型DCを行っている大手企業勤務の方からよく質問があり、このシミュレーションを行うのが面倒でした・・。

ポイントは退職所得控除額が復活するまでの期間が5年、最低でも5年は間隔を置くことですね。最近では勤続5年以下は2分の1課税も適用除外になってますからね。

税理士の江黒清史氏は「イデコの受給年を含めて5年を過ぎた後に退職金を受給すれば、イデコと退職金の退職所得控除を別々に全額使える」と話す。退職所得控除はイデコが20年分の800万円、退職金が40年分の2200万円となる。ともに受給額は非課税枠の範囲で税金はゼロだ。ただしイデコの資産が少ない分、手取りは退職金を先に受け取る方が大きい。

イデコ加入を65歳になるまで続け、退職金と同時に一時金で受け取る場合はどうか。資産は750万円に増えている。イデコを60歳で受け取るのと違って、退職所得控除を別々に使えなくなるので税負担は増える。しかし、イデコ資産の増加効果が上回り、手取りは多くなる。運用結果しだいだが、増やせる自信があれば60歳以降もイデコを続けるのも手だ。

最後にイデコを年金方式で受け取るケースもみてみよう。非課税枠である公的年金等控除は60代前半は最低年60万円、60代後半以降は同110万円だ。「他に所得がない場合は年48万円の基礎控除も加えた額が実質的な非課税枠」(江黒税理士)で60代後半以降なら最低でも年158万円になる。イデコの受取額が、公的年金等控除に基礎控除を加えた非課税枠を上回れば、税金のほか国民健康保険料など社会保険料にも影響する。

公的年金は原則として受給開始が65歳。だが70歳まで遅らせればそれまでの5年間は非課税枠(年158万円の5年分で790万円)をイデコに使える。退職金の税負担があるが「年金で受け取るイデコ分に課税は発生せず社会保険料も増えない」(工藤順子税理士)。公的年金は受給を遅らせると1カ月あたりの額が増える。70歳以降は65歳開始に比べ42%増の公的年金が終身で続く。