日本政策金融公庫が飲食業や理・美容業などの生活衛生関係営業を対象に2月下旬に実施した「設備投資に関するアンケート調査」結果(有効回答数3126社)によると、2021年の設備投資の実施状況は、「実施した」と回答した企業が28.5%と、前回調査を4.2ポイント下回った。業種別にみると、「実施した」と回答した企業割合は、「ホテル・旅館業」(59.9%、前年比2.4ポイント増)を除いた全業種で2020年を下回った。

実施した設備投資の目的(複数回答)は、「補修・更新」が59.4%と最も多く、次いで、「新型コロナ感染予防対策」(43.9%)、「売上増加」(24.3%)の順。業種別にみると、「補修・更新」は、「公衆浴場業」(88.0%)、「ホテル・旅館業」(69.7%)などで、「新型コロナ感染予防対策」は、「ホテル・旅館業」(60.6%)、「飲食業」(54.8%)などで、「売上増加」は、「ホテル・旅館業」(33.0%)、「美容業」(30.4%)などでそれぞれ高かった。

設備投資の総額は、「100万円以下」が49.3%と最も多く、全体の約半数を占めた。業種別にみると、「100万円以下」との回答割合は、「飲食業」(57.4%)、「理容業」(72.6%)、「美容業」(60.4%)、「公衆浴場業」(62.0%)などが全体と比べて高かった。一方、「1000万円超」との回答割合は、「ホテル・旅館業」(31.2%)「氷雪販売業」(42.9%)などで全体と比べて高かった。

2021年に設備投資を実施しなかった企業のうち、現在の設備について「不十分である」と回答した企業のその理由(複数回答)は、「景気の不透明感」との回答が63.7%と最も多く、次いで、「事業の先行き不安」(63.5%)、「返済負担に対する懸念」(50.3%)の順。また、今後の設備投資の必要性では、「必要性を感じている」と回答した企業が48.5%と、前回調査を0.4ポイント上回り、2015年の調査開始以来、過去最高となった。

今後設備投資の「必要性を感じている」と回答した企業を業種別にみると、「ホテル・旅館業」が80.2%と最も高く、次いで、「映画館」(75.0%)、「公衆浴場業」(73.5%)の順。実施の必要性を感じている設備投資の目的(複数回答)については、「補修・更新」が65.8%と最も多く、次いで、「売上増加」(44.8%)、「新型コロナ感染予防対策」(36.0%)、「合理化・省力化」(24.7%)などの順となった。

同調査結果は↓
日本政策金融公庫:生活衛生関係営業の設備投資動向(2021年)

(タックスコム提供)