近年、国籍・性別・年齢などの区別なく多様な人材を積極的に登用する戦略として、「ダイバーシティ採用・推進」を掲げる企業が増えている。そこでマンパワーグループが企業の人事担当者を務める20代~50代の男女400名を対象に実施した「ダイバーシティ採用の実態調査」結果によると、ダイバーシティ採用の導入状況は、「導入している」企業が全体の4割超(42.5%)ということが分かった。

ダイバーシティ採用を導入している企業が積極的に採用している人材(複数回答)については、「女性または男性」(62.4%)が全体の6割超で最も高い結果となった。2位は「障がい者」(49.4%)が約半数の高い割合で続き、3位以降は「高度外国人材」(30.0%)、「シニア」(27.1%)で3割程度となった。また、「積極的に採用していない」(11.2%)という回答も全体の1割程度を占めた。

ダイバーシティ採用を推進する目的(複数回答)については、「優秀な人材を雇用するため」(64.1%)がトップで全体の6割超を占め、さらに、「働きやすい職場づくりのため」(52.9%)、「多様化する市場に対応するため」(50.6%)が、いずれも5割超で続く。また、「労働力を確保するため」(45.9%)、「社会的責任を果たすため」(41.8%)との回答も4割超の高い割合となった。

ダイバーシティ採用を実施する上で「うまくいったこと」を聞いたところ、「社内の活性化が図れてとてもいい状況になってきている」(男性・57歳/埼玉県)など多様な人材を採用することによる社内活性化や、さまざまな角度から物事を見られるようになったことで社会に対する視野が広がるといった声に加え、意外なところからの優秀な人材が見つかるなど、プラスの影響を実感する声が多く見られた。

一方、「苦労したこと」では、「ダイバーシティ採用をしようとしても、適切に採用を判断できる人事担当者がいない」(女性・22歳/千葉県)など、採用条件や採用判断、受け入れ体制づくりの段階から難しさを感じているケースや、社内の理解を深めることに苦労している声が多数あった。また、「採用者の定着率にやや苦戦している」(男性・55歳/東京都)といった採用後にどう定着させるのかに苦労しているケースも多いようだ。

同調査結果は↓
マンパワーグループ:ダイバーシティ採用を導入している企業は4割超。実施の上で実感した成果・課題とは?

(タックスコム提供)