東京商工会議所が、研修センター主催の「新入社員ビジネス基礎講座」の受講者を対象に実施した「新入社員意識調査」結果(有効回答数967人)によると、就職活動の感想は、「順調だった」、「ほぼ順調だった」と回答した割合の合計が58.4%となり、2021年度調査(49.9%)と比べて8.5ポイント増加した。2018年度調査(55.9%)、2019年度調査(58.8%)と比べても、就職活動の「順調さ」はコロナ禍以前の状況に戻っていることがうかがえる。

就職活動の感想では、大学卒は文系・理系ともに「順調だった」、「ほぼ順調だった」と回答した割合の合計が、2021年度調査と比べて増加した。文系卒は2021年度調査と比べて4.5ポイントの増加だったが、理系卒では15.9ポイント増加した。大学卒の平均内定企業数は、2021年度調査では2019年度調査と比べて文系卒・理系卒ともに減少したが、2022年度調査では2021年度調査と比べて文系卒、理系卒ともに増加に転じた。

就職活動で苦労したこと(3つまで回答)は、「自分のやりたいことがわからず悩んだ」が52.7%で最も多かった。2021年度調査で急増した「説明会や面接の日程・時間の調整」は17.8%となり、2021年度調査と比べて大幅に減少した。また、オンラインによる就職活動でよかったこと(3つまで回答)は、「移動時間が短縮できた」(55.6%)、「費用(スーツ代・交通費など)が少なくて済んだ」(44.8%)などが上位となった。

社会人生活で不安に感じること(3つまで回答)は、「仕事と私生活とのバランスが取れるか」(55.4%)、「上司・先輩・同僚とうまくやっていけるか」(51.4%)、「仕事が自分に合っているか」(49.7%)が上位に。就職会社を選ぶ上で魅力に感じる企業の制度(複数回答)では、「年次有給休暇取得の推進」(42.5%)、「時差出勤・フレックスタイム制勤務」(41.9%)、「テレワーク(在宅勤務)」(36.1%)などの働き方に関する選択肢が上位となった。

今の会社でいつまで働きたいかについては、「定年まで」が23.8%となり、2021年度調査と比べて5.5ポイント減少。水準をみると、10年前の2012年度調査との比較では、「定年まで」は12.4ポイント減少(2012年度36.2%→2022年度23.8%)し、「チャンスがあれば転職」、「将来は独立」と回答した割合の合計は7.2ポイント増加(2012年度18.3%→2022年度25.5%)となり、新入社員の意識が変化したことがうかがえる。

同調査結果は↓
東京商工会議所:2022年度新入社員意識調査

(タックスコム提供)