2021年における労働災害による死亡者数は867人で、2020年に比べ65人(8.1%)増となり、4年ぶりに増加したことが、厚生労働省がこのほど公表した2021年の労働災害発生状況で明らかになった。死亡者数が多い業種は、「建設業」の288人(前年比30人・11.6%増)、「第三次産業」の241人(同16人・7.1%増)、「製造業」の137人(同1人・0.7%増)、「陸上貨物運送事業」の95人(同8人、9.2%増)となっている。
また、労働災害による死亡・休業4日以上の死傷者数は14万9918人となり、2020年に比べ1万8762人(14.3%)増と2年ぶりの増加、1998年以降で最多となった。死傷者数が多い業種は、「第三次産業」の8万454人(前年比1万3495人・20.2%増)、「製造業」の2万8605人(同2930人・11.4%増)、「陸上貨物運送事業」の1万6732人(同917人・5.8%増)、「建設業」の1万6079人(同1102人・7.4%増)となっている。
事故の型別による発生状況をみると、死亡者数では「墜落、転落」が25%で最多、次いで「はさまれ・巻き込まれ」が16%、死傷者数では「転倒」が23%で最多、次いで「転落、墜落」が14%。特に死傷者数が最多の「転倒」(前年比2743人・8.9%増)、「動作の反動・無理な動作」(同1656人・8.7%増)で大きく増加した。また、年齢別では、60歳以上が全死傷者数の約4分の1を占め、3万8574人(同3646人・10.4%増)となった。
業種別の労働災害発生状況をみると、「製造業」の死亡者数は137人(前年比0.7%増)となり、3年ぶりに増加し、事故の型別では、機械による「はさまれ・巻き込まれ」が最多、全数に占める割合は死亡者数で39.4%、死傷者数で22.7%。「建設業」の死亡者数は288人(同11.6%増)で、4年ぶりに増加し、事故の型別では、最多である「墜落・転落」が最多、全数に占める割合は死亡者数で38.2%、死傷者数で30.3%だった。
「林業」の死亡者数は30人(前年比▲16.7%)、事故の型別では「激突され」が最多で、全数に占める割合は死亡者数で50.0%、死傷者数で23.0%だった。「陸上貨物運送事業」の死傷者数は1万6732人(同5.8%増)、「墜落・転落」が最多、全数に占める割合は26.9%だった。「小売業」、「社会福祉施設」及び「飲食店」の死傷者数は、いずれの業種も「転倒」が全数の約3割前後を占め、多い。
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厚労省:令和3年労働災害発生状況の分析等
(タックスコム提供)