日経新聞:三井住友海上、保険データで融資判断 ローン借りやすく
蓄積されたビッグデータ活用、ギグワーカー向けの融資審査。
三井住友海上火災保険は、単発で仕事を請け負う「ギグワーカー」のように収入が一定でない個人事業主が自動車ローンを利用しやすくなる審査ソフトを開発した。約150万人の自動車保険契約者の支払い履歴などを分析。滞納せず返済できる人の特徴を指数化して融資判断に使う。ローンを組めず車を購入できない人は推計で年約200万人いる。ローンの間口を広げて、多様化する働き方を後押しする。
2022年度にも自動車ローンを手がける地方銀行や信販会社に売る。自動車ローンは通常、勤務先や雇用形態、年収、勤続年数などをもとに融資の可否を判断する。三井住友海上は同社の顧客の保険料の支払い履歴などから、期日通りに支払う人の特徴や、逆に滞納しやすい人の傾向を分析し、審査の判断に加味する仕組みを開発した。
滞納しにくい人の特徴を当てはめれば、ローンも延滞しにくいとの相関関係を導き出せると判断した。具体的には、信販会社などが三井住友海上の審査モデルを使い、車の使用目的や免許証の色など最大10項目の申告を求め、人工知能(AI)を使って信用力の指数を算出する。
例えば、車の使用目的が業務用なら返済の可能性が高まると判断したり、無事故・無違反など優良運転者なら取り決めを守る意識が強いとみなしたりすることで、ローンが借りやすくなるという。審査ソフトの利用料などは今後詰める。