国税庁は、いわゆる町の消防団員が受ける各種手当等の課税関係について、パブリックコメントの結果を公表した。「出動手当」について、改正原案で「給与等として課税対象」としていた取扱いを、出動報酬の平均値(報酬基準額)までは費用の弁償として課税しなくてもよいとの取扱いに修正した。パブコメは、消防団員に対する支払いに関する取扱いが今年4月に見直されることを受け、税制面の整備を行うために実施されたもの。
同取扱いについては現在、所得税基本通達において、消防組織法の規定に基づき市町村に設置された消防団に所属する非常勤の消防団員が市町村から支給を受ける各種の手当てに係る所得税の課税関係のうち、いわゆる「出動手当」(消防団員が消防、水防等のための出動の回数に応じて支給を受けるもの)については、所得税を課税しなくても差し支えないこととされていた。
また、いわゆる「年額報酬」(消防団員が出動の回数に関係なくあらかじめ定められている年額等によって支給を受けるもの)については、その年中の支給額が5万円以下であるものに限り、所得税を課税しなくても差し支えないこととされている。これは、「出動手当」及び5万円以下の「年額報酬」については、いずれも費用の弁償という性格を有していると考えられることによるものだ。
パブコメの改正原案では、この「出動報酬」については、これまで費用の弁償として支払われていた「出動手当」とは異なり、出動したことに対する報酬として支払われるものだとして「給与等」として所得税の課税対象とし、別途、費用弁償の取扱いを整理。「年額報酬」については、その性格は従前と変わらず、引き続き支払われるものであるため、従前通り5万円以下のものに限り所得税を課税しなくて差し支えないものとしていた。
今回の結果報告によると、国税庁は意見等を受けて取扱いを一部修正。「出動報酬」の全額を課税対象とするのではなく、費用弁償部分を超える部分についてのみ課税対象とすることとした。また「年額報酬」については、活動に要する費用の弁償として支給を受けるものは、その年中の支給額が5万円までの部分については課税しなくて差し支えないこととされ、それ以外のものについては給与等とすることとされた。
この件は↓
e-GOV:「所得税基本通達の制定について」(法令解釈通達)の一部改正(案)(非常勤の消防団員が支給を受ける報酬)に対する意見公募の結果について
(タックスコム提供)