大阪シティ信用金庫が大阪府内の取引先企業を対象に2月上旬に実施した「中小企業における2022年の正社員採用予定調査」結果(有効回答数1072社)によると、今年の正社員の採用(実績及び予定)は、「採用する」と答えた企業は昨年比▲2.5ポイント減の25.2%で3年連続の減少となった。同割合は、2015年(23.4%)以来の低水準となっている。また、「採用しない」とした企業(35.4%)も同▲11.8ポイント減少した。
今回の調査では「未定」とした企業が39.4%(昨年比14.3 ポイント増)で最も多く、今後の景気動向等により採用状況は大きく変わる可能性がある。業種別でみると、「採用する」企業割合は、「運輸業」が39.3%で最も高く、「小売業」が15.5%で最も低い。さらに従業者規模別でみると、「採用する」企業割合は規模が大きくなるほど高くなっており、「10人未満」の10.0%に対し、「50人以上」では 63.6%に及ぶ。
採用する企業が正社員を採用する主たる理由は、「仕事量が増加し、人手不足になってきたため」と答えた企業が42.6%で最も多く、「退職による欠員を補充するため」が26.3%、「現事業の業容拡大を図るため」が 20.7%、「新分野進出や自社のレベルアップ等に向け、優秀な人材を確保するため」が 10.4%。業種別でみると、「人手不足になってきたため」と答えた企業割合は、「建設業」(62.2%)が6割を超え、特に高くなっている。
採用方針(採用区分)(複数回答)については、「新卒採用する」と答えた企業が53.7%であるのに対し、「中途採用する」企業は95.2%と圧倒的に多い。これを昨年調査と比べると、「新卒採用」は▲9.1ポイント減少したのに対し、「中途採用」は2.2ポイント増加している。中小企業では経験者などの即戦力の必要性から中途採用が主体となっているが、今回はその傾向が強まった。
中途採用する企業のその理由(複数回答)は、「新卒者の成長を待っている余裕がない」とする企業が56.7%で最も多く、中途採用せざるを得ない状況がうかがえる。次いで「新卒の応募者が集まらない」が47.6%と多い。募集をかけても新卒者が集まらず、新卒採用だけでは希望人数を補充しきれないものとみられる。以下、「新卒者は定着率が低い」が24.2%、「新卒者を育成する体制を敷けない」が15.9%となった。
同調査結果は↓
大阪シティ信用金庫:中小企業における2022年の正社員採用予定
(タックスコム提供)