厚生労働省が公表した第23回(2020年)の完全生命表によると、男性の平均寿命は81.56歳(前回2015年比+0.81年)、女性の平均寿命は87.71歳(同+0.73年)となり、ともに過去最高を更新した。完全生命表は、日本にいる日本人について、1年間の死亡状況が今後変化しないと仮定したときに、各年齢の人が1年以内に死亡する確率や、平均してあと何年生きられるかという期待値などを、死亡率や平均余命などの指標によって表したもの。

0歳の平均余命である平均寿命の年次推移をみると、戦前は50年を下回っていたが、第8回(1947年)生命表の平均寿命は男50.06年、女53.96年と50年を上回った。その後、男は第10回(1955年)生命表で60年、第14回(1975年)生命表で70年、第22回(2015年)生命表で80年を上回り、女は第9回(1950~52年)生命表で60年、第11回(1960年)生命表で70年、第16回(1985年)生命表で80年を上回った。

生命表上の生存及び死亡状況をみると、まず、第23回(2020年)生命表の「死亡率」を第22回(2015年)生命表と比較すると、男女ともほとんどの年齢で低下。死亡率の年次推移をみると、第14回(2975年)生命表から第23回(2020年)生命表において、男女とも0歳から20歳代の低下率が大きくなっている。次に、生命表における「死亡数」のピークは、回を追うごとに高齢に移動している。

10万人の出生者が生命表上の年齢別死亡率に従って死亡していくとした場合の死亡数をみると、第23回(2020年)生命表において、男では88歳(4133人)、女では93歳(5130人)でピークを迎えた後、急激に減少している。また、10万人の出生者が生命表上の年齢別死亡率に従って死亡していくとした場合の「生存数」をみると、回を追うごとに増加している。

寿命中位数(出生者の半数が生存すると期待される年数)は、第23回(2020年)生命表において、男84.51年、女90.55年で、回を追うごとに延びている。そのほか、第23回(2020年)生命表において、20歳における「平均余命」は、男61.90年、女68.01年、65歳における平均余命は、男19.97年、女24.88年、75歳における平均余命は、男12.54年、女16.22年。平均余命の年次推移をみると、各年齢とも回を追うごとに延びている。

2020年完全生命表の概況は↓
厚生労働省:第23回生命表について

(タックスコム提供)