2021年の税関における知的財産侵害物品の輸入差止件数は2万8270件で、前年比では▲6.7%減少したものの、2年連続で2万8千件を超え、高水準で推移していることを、財務省がこのほど発表した。輸入差止点数は81万9411点で同39.1%増と大幅に増加した。1日平均で77件、2244点の知的財産侵害物品の輸入を差し止めていることになる。輸入差止価額は、正規品であった場合の推計で約164億円にのぼる。

仕出国(地域)別にみると、輸入差止件数は、「中国」が2万1885件(構成比77.4%、前年比▲15.3%)で、引き続き高水準にある。次いで、「ベトナム」が3033件(前年比120.7%増)、「フィリピン」が1112件(同75.1%増)、「韓国」が589件(同45.1%増)。輸入差止点数でも、「中国」が61万5539点(構成比75.1%、同50.0%増)と、件数、点数ともに中国を仕出しとするものの構成比が依然高くなっている。

知的財産別にみると、輸入差止件数は、偽ブランド品などの「商標権侵害物品」が2万7424件(構成比96.0%、前年比▲7.0%)と大半を占め、次いで、偽キャラクターグッズや音楽CDなどの「著作権侵害物品」が674件(前年比17.0%増)。輸入差止点数についても、「商標権侵害物品」が62万1684点(同75.9%、同49.2%増)と大半を占め、次いで「著作権侵害物品」が9万6345点(同31.6%増)と増加した。

品目別の輸入差止実績をみると、輸入差止件数は、財布やハンドバッグなどの「バッグ類」が構成比28.8%と全体の約3割を占めて最も多く、次いで「衣類」が27.4%、「靴類」が11.9%、「時計類」が5.0%だった。また、輸入差止点数では、「衣類」が13.3%を占めて最も多く、次いでイヤホンなどの「電気製品」が12.8%、「バッグ類」が5.5%、メモリーカードなどの「コンピュータ製品」が5.4%だった。

なお、輸送形態別の輸入差止実績をみると、輸入差止件数は、郵便物が大半を占めており、「郵便物」が2万5815件(構成比91.3%、前年比▲8.1%)と全体の9割強を占めて最も多く、次いで「一般貨物」が2455件(同8.7%、同10.8%増)。また、輸入差止点数では、「一般貨物」が46万6420点(同56.9%、同36.0%増)で最も多く、「郵便物」が35万2991点(同43.1%、同43.4%増)で続いた。

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財務省:令和3年の税関における知的財産侵害物品の差止状況

(タックスコム提供)