中小機構がこのほど発表した「中小企業のSDGs推進に関する実態調査」結果(有効回答数2000社)によると、SDGsについて「よく知っている」と回答した企業は6.5%、「ある程度知っている」、「聞いたことはある」を含め何らかの形でSDGsについて認知している企業は86.0%にのぼった。しかし、SDGsについて内容を「十分理解している」、「やや理解している」企業の割合は計38.8%にとどまっている。

従業員規模別に理解度をみると、従業員「101~200人」規模が「十分理解している」、「やや理解している」割合が計76.0%と最も高くなっている一方で、従業員「5人以下」の企業は32.8%となっている。SDGsの取組状況と理解度の関係をみると、「十分理解している/やや理解している」と回答した企業のうち、「すでに取り組んでいる」、「今後は取り組んでいく予定」の合計が58.4%と過半を超え、最も多くなっている。

SDGsを経営に取り入れる意義や目的(複数回答)としては、「企業の社会的責任」が 50.4%、「企業イメージの向上」(29.7%)、「従業員のモチベーションの向上」(27.6%)と続く。SDGsの取組みに向けた課題(複数回答)は、「何から取り組めばよいのか分からない」(21.0%)が最も多く、「取り組むことによるメリットが分からない」(19.3%)、「SDGsや取組方法に関する情報が少ない」(16.4%)などが続く。

求められている支援(複数回答)としては、「特に期待はしていない」が56.7%と最も多いものの、「SDGsに取り組む際活用できる補助金・助成金」(22.2%)、「SDGs取組事例の公表」(15.3%)、「中小企業のためのSDGs推進指針の策定・公表」(14.4%)などが挙げられている。当座の資金充当を求める傾向が強い一方で、SDGsの取組方法に関する情報が少ないことへの支援ニーズも高いことが分かる。

中小企業がSDGsの取組みの拡大を図るためにはその理解をより深めていく努力が必要となる。SDGsに取り組む意義や目的は、現状企業責任や社会貢献を果たすことが強く意識されている。取組み拡大には、SDGsが社会貢献とともに、永続的な企業活動(メリット)も展開できるというビジネスモデルを具体的に提示することが重要となる。そのためには、SDGsの取組事例の公表などは有効な手段となりうると思われる。

同調査結果は↓
中小機構:中小企業の SDGs 推進に関する実態調査

(タックスコム提供)