日本政策金融公庫が、従業員20人以下の小規模企業を中心に昨年12月中旬に実施した「信用保証利用企業動向調査」結果(有効回答数4808社)によると、資金繰りDI(前期比、「好転」−「悪化」、季節調整値)は、2021年10~12月期実績ではマイナス幅が前期から2.3ポイント増の▲24.0と、中小企業の資金繰りは、やや悪化した。来期2022年1~3月期はマイナス幅が同4.7ポイント縮小の▲17.4と改善する見通し。

また、今期(10~12月期)に借入を実施した企業の割合は、前期比3.0ポイント増の14.3%とやや増加。従業員規模別にみると、「0~20人」が同2.5ポイント増の12.4%、「21人以上」は同5.6ポイント増の24.2%。一社当たりの借入金額構成比は、「1千万円以下」が同5.0ポイント減の38.9%、「1千万円超5千万円以下」が同3.2ポイント増の40.2%、「5千万円超」が同1.0ポイント増の20.7%で、平均借入金額は4659万円だった。

今期に借入を実施した企業のうち、保証を利用した企業割合は、前期比2.5ポイント減の49.2%とやや減少。保証利用割合別では、「全額利用」の割合は同1.4ポイント減の41.5%と減少、「一部利用」も同1.1ポイント減の7.7%となった。来期(1~3月期)における保証利用要請DI(前期比、「強くなると思う」−「弱くなると思う」、季節調整値)は同0.4ポイント減の▲2.6とほぼ横ばいながら過去最低を更新した。

一方、生産・売上DI(前期比、「増加」−「減少」、季節調整値)は、今期はマイナス幅が前期比3.1ポイント減の▲27.0とマイナス幅がやや縮小。来期はマイナス幅が10.4ポイントと大幅縮小の▲8.7が見込まれる。また、採算DI(前期比、「好転」−「悪化」、季節調整値)は、今期はマイナス幅が同0.5ポイント拡大の▲33.0と横ばいとなり、来期はマイナス幅が同6.9ポイント縮小の▲14.4の見通しとなっている。

なお、新型コロナウイルス感染症による企業活動へのマイナスの影響については、「現在影響あり」と回答した企業は70.1%と、20年4~6月期以降7割前後で推移しているが、内訳をみると「回復の兆しあり」とする企業の割合が9.7ポイント上昇し、「回復の兆しなし」とする企業が10.1ポイント低下。業種別にみると、建設業は「現在影響あり」が56.0%と他業種と比べて低い割合となっている。

同調査結果は↓
日本政策金融公庫:第211回 信用保証利用企業動向調査結果の概要

(タックスコム提供)